松井玲奈 大河ドラマ初出演で「妖艶」表現 「あえてゆっくり」

 【牧 元一の孤人焦点】21日放送のNHK大河ドラマ「どうする家康」第19回に侍女・お万役で出演する役者の松井玲奈(31)がインタビューに応じ、役作りや初大河の現場の雰囲気などについて語った。

 ──侍女・お万の人物設定は「神秘的で妖艶な魅力が漂う」となっていますが、妖艶さを表現するために心がけたことは?

 「あえてゆっくり動くようにしました。どうしたら優雅な色っぽさが出るかということは、演出の方や所作指導の先生に指導していただきました。衣装の面では、肌の質感が出るような演出になりました。侍女は通常、着物のたもとの部分をひもで結んで動きやすいようにするのですが、あえて結ばずに、動くと二の腕がちらりと見えるようになっています」

 ──神秘的という部分は?

 「神秘的という部分はあまり考えませんでした。そこは見る方々に委ねるしかないと思います」

 ──かねて松井玲奈さんという役者には神秘的な一面があると感じていました。

 「神秘的ですか?(笑)ありがとうございます。そのお言葉を信じたいと思います」

 ──初めての大河ドラマの収録現場はいかがでしたか?

 「まずスタジオのセットがしっかりと建て込まれていることに驚きました。私が出演した場面では使われていませんが、セットの後ろに置かれた巨大LEDウォールに映し出される景色が本物のように見えて驚きました。これまでNHKの美術スタッフさんたちが築き上げてきたものに最新技術を加えたセットの精巧さが素晴らしいと思いました。現場では主演の松本潤さんが締める時は締めながらも収録の合間にはスタッフさんと談笑する場面もあって、私も思いのほか緊張せずに楽しく伸び伸びと演じさせていただきました」

 ──大河ならではのこととして印象に残ったのは?

 「衣装が凝っていると感じました。色の柔らかい尾張の染め物の衣装を着ましたが、衣装合わせの時、コンセプトが記されたイラストを見せていただきながら、丁寧な説明を受けました。時代背景に合わせた布、生地の使い方を知って、新鮮さを感じました。これまでにない経験でした」

 ──実際に衣装をつけたご自身の姿をどう思いましたか?

 「これまで時代劇に出演した時、半がつらで額を出していることが多かったのですが、今回は前髪を下ろし、少し後れ毛があったりして、濡れ髪で質感のある雰囲気をつくっていただきました。最初に鏡で自分の姿を見た時は、現代劇っぽくなり過ぎているのではないかと不安になりましたが、現場で収録した映像をモニターで見た時は、その場の空気になじんでいました。メークさんや衣装さんの力のおかげだと思いました」

 ──最近は劇団☆新感線の舞台「ミナト町純情オセロ〜月がとっても慕情篇〜」出演や今秋公開予定の映画「緑のざわめき」主演など役者としての活躍が顕著ですが、ご自身の役者としての現状に関してはどう感じていますか?

 「まだまだ難しいと思う部分、奥深いなと思う部分があります。最初の頃は、例えば、悲しい場面の場合、悲しい状態になるにはどうしたらいいのだろう…という考え方をしていました。でも、役者を続けていく中で、事前に考えることより、その場で起きていることに対してどう感じるか、どう敏感に反応するかということの方が大事だと感じられるようになりました。先日の舞台でも、日によって、相手のセリフに対して心が敏感になる瞬間が全く違いました。そういう変化を楽しめるようになりました」

 ──いつ頃から変化を楽しむことができるようになりましたか?

 「割と最近です。昨年から舞台が続いて、舞台の上で日々いろいろなことを試して、共演者の方々とある意味で楽しみながらお芝居ができた環境が大きいと思います。お芝居は決まりのない感じの方がいい、自由にやるのが楽しいと思い始めました」

 ──今回の大河でも、その感覚を生かすことができましたか?

 「もちろん、お万が持っている信念、生き方に関する芯の部分は常に意識して演じました。ただ、そこに向かって行く方法、ステップを踏んでいく方法はいろいろあるので、リハーサルなどで共演者の方と向き合い、その時に自分の感情はどうなるのかということを楽しみながらお芝居ができたのかな、と思います。やれることはやり切ったと思っていますが、これからみなさんに見ていただくので、不安はあります(笑)」

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね♡
URLをコピーする
URLをコピーしました!

この記事を書いた人

アフィリエイター初心者です!よろしくお願いします。

目次
閉じる