AKB48としてのラストステージは、活動の原点となったチーム8の楽曲「夢へのルート」からスタート。公演前はふだんどおりだったというものの、急に実感がわいたのか「やばいですぅ…」と早くも感極まり、目をうるませながらも「AKB4Bとして最後の私を見ていただける場なので、笑顔で終わりたいと思います」と言葉を絞り出した。
続くパートでは、26日にパシフィコ横浜 国立大ホールで行われた卒業コンサートでも会場を沸かせた「ハート型ウイルス」「思い出以上」などのユニット4曲をパフォーマンス。チーム8の代表曲「47の素敵な街へ」では、ファンが“待ってました”とばかりに「ガチ恋口上」で盛り上げ、向井地美音や村山彩希らは「この曲やったことなかったけど、こんな熱量なんだね！」「すごい！」「幸せだった！」感激するほどの盛り上がりとなった。
“ひぃちゃん”の愛称で親しまれる本田は、2018年10月にIZ*ONE専任となり、21年4月にAKB48復帰後、メンバーから“本田警察”と言われるほど、振付をそろえるために尽力してきた。
現役最古参の柏木由紀は26日のコンサートを振り返り、「ひぃちゃん（本田）が初めて選抜になった『NO WAY MAN』とか『私たちのReason』が全部新規の振付になっていて、ストイックの方向がすごすぎて、あの人はどこまで行っちゃうんだろうと思った」と、ステージに対する本田のこだわりに改めて驚愕したこと告白。「私は17年間AKB48 やってきたけど、1番教えてもらった人。“本田警察”は私にとっては師匠！」とその存在の大きさを語った。
エンディングでは卒業ドレスに身を包んだ本田は「私は12歳のときに初めてこの劇場に立ったんですけど、加入して最初の夏休みのときには毎日ここに通っていて、チーム8のメンバーと合宿をしながら過ごしていました。ステージに立つだけじゃなくて、学校の宿題をやったりとか、ロビーでみんなでお味噌汁を飲んだりとか、生活の一部を共に過ごした思い入れのある場所です」としみじみ。
「劇場公演に立ちたくて、“私を見つけて”という想いで健気に頑張っていたんですけど、今日は私のために集まってくださったみなさんで埋め尽くされているのがすごく幸せですし、いろんなきっかけで私を好きになってくださった方がたくさんいらっしゃると思うんですけど、一番伝えたいのは、どんな瞬間でもどんなに形を変えても、私を好きでいてくださって、愛してくださって本当にありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えた。
今後については「秋元先生が紡ぎ出す世界観の中でメンバーのみんなとパフォーマンスできたことを誇りに、そして元AKB48として恥じぬように、これからも頑張ります」と約束。「少しだけ充電期間をいただいて、その後は新たな私をお見せできるように頑張ります！これからもよろしくお願いします！」と、卒業後の活動にも期待をもたせた。
ラストナンバーは、自身のセンター曲「どうしても君が好きだ」をフルサイズでパフォーマンス。泣き笑いしながらメンバーとハイタッチを交わし、「みんなのことが大好きだ〜!!」と愛を叫んだ。
「正直、順風満帆な10年間だったとは言えないけれど…」と涙で言葉を詰まらせながらも、「本当に楽しかった思い出もたくさんあるんですけど、大変だったりつらい思いをしたこともありました。ですが、どんな時もどんな私も好きでいてくれて、味方でいてくれたみなさんがいたからこそ、今まで本当に想像もできなかった世界をたくさん見ることができました。今こうして幸せに卒業を迎えられているのは、いつも応援してくださるみなさんのおかげです。これからも末長く、AKB48、そして本田仁美をよろしくお願いします」とあいさつした。
さらに、韓国語と中国語でもスピーチ。卒業コンサートではうまく言えなかったという中国語にも成功し「ありがとうございます。もう未練ないです！」と満面の笑みを浮かべ、“ひぃちゃん”コールを浴びながら晴れやかな表情で10年間の活動に幕を下ろした。
■AKB48 本田仁美 卒業公演
Overture
01. 夢へのルート
02. 私たちのReason
03. 唇にBe My Baby
04. ハート型ウイルス
05. エンドロール
06. 思い出以上
07. 抱きしめられたら
08. 47の素敵な街へ
09. ジワるDAYS
10. どうしても君が好きだ
