木村沙織「3日ほど洗濯物が干しっぱなしになることも」大阪での子育てとバレーボール経験を活かした家族生活

木村沙織「3日ほど洗濯物が干しっぱなしになることも」大阪での子育てとバレーボール経験を活かした家族生活

木村沙織「3日ほど洗濯物が干しっぱなしになることも」大阪での子育てとバレーボール経験を活かした家族生活

(CHANTO WEB)

元バレーボール選手の木村沙織さん。一児の母として大阪で子育てがスタートしましたが、夫婦でどのように子育てに向き合っているのか。バレーの経験も活かしているといいます(全2回中の2回)

背が高いけど昔、何かやってたんですか?

── 2023年12月に大阪で経営されていたカフェが閉店しました。そもそも大阪は未知の土地だったそうですが、選ばれた理由は何かあったのでしょうか。

木村さん:結婚した当初、夫は奈良でサラリーマンをやっていて、私はバレーボールやメディアの仕事で東京に出ることが多かったので、奈良にも東京にも出やすい大阪に住もうとなりました。その後、大阪でカフェをオープンしましたが、子どもが生まれたら夫婦の実家がある東京か鹿児島のどちらかに住もうとは話はしていたんです。去年、子どもが生まれたタイミングもあって、カフェを閉店して引っ越しをすることになりました。今は拠点を移動してこの先の展開を考え中です。

── 大阪での子育てはいかがでしたか?

木村さん:ママ友ができて楽しかったですね。私は結構、人見知りしちゃうので自分からはなかなか声をかけられないんですけど。大阪という場所柄フレンドリーなのか、周りの方から声をかけてくださることが多くてありがたかったです。

カフェは、子どもが生まれてから完全に夫に任せていましたが、たまたまお店に行ったときに子どもが同じくらいの年齢のママがいると、知り合いや友だちになることもありました。一緒に公園に行ったり、子連れで行きやすい施設を教えてもらったり、仲よくしてもらって嬉しかったです。

── 街中で木村さんの姿を見て、びっくりされる方もいらっしゃいましたか?

木村さん:カフェには(私に)会えたらいいな、といった感じで来てくださる方もいらっしゃいましたが、街の施設では反応されることもそんなになかったですね。「背が高いですね。昔何かやってたんですか?」と言われることもあって、たぶん周りの方々と溶け込んでいたと思います(笑)。

── もうすぐお子さんが1歳になるそうですね。家事と子育ての分担はどうされていますか?

木村さん:特に分担も決めてなくて、家事はほぼ私がやっています。子育ても私の方が子どもと一緒にいる時間が長いですが、夫もできるときは積極的にやってますね。

夜泣きはそんなにしないので、夜は比較的眠れていますが、日中は私の姿が見えないと泣き出してしまうことがしょっちゅうです。子どもが泣くたびに家事が止まって、洗濯物が3日くらい干しっぱなしになることも多々あったり…。家事が思うように進まずにワァってなることもありますけど、なるべく寝ているときに家事も済ませるようにしています。

夫は子どもをお風呂に入れたり、外出するときはご飯も率先して食べさせてくれたりと助かっています。特に家事、子育ての分担も決めてないですが、「私ばっかり…!」と思うことも全然なくて、何かやってほしい時は頼むし、頼んだらやってくれるし、私ばっかりって思う前に動くので特にストレスも溜まらないというか。

ずっとバレーボールしかしてこなかったので、今は待望の子育てを楽しむ方が大きいですね。

── 12月にペアレンティングアワード(育児業界に影響を与えた人物、話題になった出来事など子育てトレンドを表彰するもの)を受賞されました。

木村さん:夫婦で子育てに関する思考が似ているし、協力しながらできると思っています。夫にはいつも助けてもらっていて、私が優柔不断で物事を決められないときもパパッと決めてくれますし、お互い足りない部分を補え合えている感じ。今年で結婚して8年目になりますが、夫と結婚してよかったなって毎日思ってます。

子どもにスポーツをさせたいと思うか

── ベタな質問になって恐縮ですが、将来はスポーツ選手になってほしいと思うことはありますか?

木村さん:それはありますね。一人の人間として常識ある人に育ってくれたらいいなっていうのはもちろん。3,300グラムで生まれて身長も体重もズッシリしていて、周りの子どもと比べて大きいですし、何かやってくれたらいいなとは思ってます。

── 競技には特にこだわらないですか?

木村さん:できればチームスポーツをやってくれたら嬉しいですね。たとえばバレーボールは一つのボールをみんなで繋ぐスポーツなので、思いやりのあるパスを出すとか。ヒュッ!て意地悪なパスを出すかでチームの空気も試合の流れも変わってくるので、相手に対する思いやりや想像、相手が喜びそうなことも考えたりしますし。私もバレーボールを通していろいろな仲間に出会えて、バレーの経験が子育てにも結婚生活にも活かされてるなって思います。

── 現役を引退して約8年。改めて現役生活を振り返って思うことはありますか?

木村さん:現役時代はいつ辞めてもいい…、明日辞めてもいいと思うくらい頑張っていたつもりです。でも、いざバレーを辞めて振り返ってみると、キャプテンを務めていたときはもうちょっとチームを引っ張れたらよかったな。まだキャプテンをするには経験不足。キャプテン不足だったなと思いますね。

── 木村さんほど活躍された方でもそう思われるとは。木村さんの穏やかさで安心された方もいたのでは?

木村さん:そう仰ってくださる方もいましたが、目標としていたメダルには届きませんでした。仲よしチームなだけではなく、もっとレベルを上げて勝てるチームが作れたんじゃないかなというのは、今も反省点ですね。

── スポーツ選手は負けず嫌いな方が多い印象がありますが、木村さんはいかがでしたか?

木村さん:スポーツ選手は負けず嫌いな人は多いと思いますが、負けず嫌いにもいろいろありますよね。私はこの人に負けたくないとか、同じチームの人にも勝ちたいとか、そういうタイプではなくて自分自身に目を向けるタイプ。誰かに勝つことよりチームとして結果が残せたらいいな。そのためには自分はどんな役割をすればいいんだろうって考える方が強かったですね。心の中で負けないぞって思っていてもそんなにギスギスした感じじゃなかったと思います。今も当時も穏やかな方が好きです。

PROFILE  木村沙織さん

1986年生まれ、埼玉県出身。元バレーボール選手。2003年17歳で日本代表入りし、18歳でアテネ五輪出場。2012年ロンドン五輪では銅メダルに貢献。16年に結婚。17年3月に引退し、23年2月に第一子出産して1児の母。

取材・文/松永怜 写真提供/木村沙織

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