陸上女子マラソンで五輪2大会連続メダリストの有森裕子氏(57)が、24日放送のTBS「まさかの一丁目一番地」(後7・00)にVTR出演。2019年に亡くなった恩師の小出義雄さんについて語る場面があった。
小出さんは明るく豪快な性格と素質を見抜いて褒めて伸ばす指導力で知られ、多くの名選手を育てた。教員を23年間務めた後、1988年に実業団のリクルートの監督に就任。有森氏やシドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子さんらを育成した。
有森氏は、お酒とタバコを好んだ小出さんについて「タバコは走る事と同じくらい大好きだっていう感じ」と振り返った。小出さんの指導法についても「めちゃくちゃ細かいんですよ。繊細かつ大胆。両方が備わっている、ガハハおじさんみたいな感じですね」と話した。
1992年のバルセロナ五輪の直前、有森氏は左足を負傷。苦しんでいた有森氏に、小出さんは「タバコをやめる」と宣言した。有森氏は「監督、タバコやめてくれたんだ。じゃあ、終わったら思いっきり吸ってもらおうと思って、後押ししてもらえるように」と背中の腰のあたりにホープを縫い付け、完走後に渡そうと決意した。
そして見事銀メダルに輝き、小出さんの元へ向かった時については「(小出さんに)吸えるはずないんだけど、ぐちゃぐちゃなまま(ホープを)渡しました」と回顧。「なんだこれセンセー(有森氏のあだ名)、吸えねぇよ!」と言われたものの、小出さんは亡くなるまでずっとそのホープを大切に持っていたという。