有村昆 保育園虐待事件に通じる映画「スポットライト 世紀のスクープ」

【ニュースシネマパラダイス】 どうも! 有村昆です。静岡県裾野市の私立さくら保育園で、園児を虐待したとして暴行容疑で元保育士の女3人が逮捕されるというショッキングな事件が起きました。園児に対して暴言を吐く、逆さづりにするなどしていたのですが、相手は1歳児なので被害を訴えることもできない。別の保育士による内部告発で発覚しましたが、どうやって子供たちを守っていけばいいのでしょうか。

 今回は、新聞記者がカトリック教会の神父による少年への性的虐待を暴いた映画「スポットライト 世紀のスクープ」(2016年)を紹介します。これは実話を基に描いた作品です。01年に米紙「ボストン・グローブ」に新編集局長が着任するところから物語は始まります。フロリダからやってきた新編集局長はコラムで扱われていた、カトリック教会の神父による性的虐待事件を調査する方針を打ち出します。指示された記者たちは困惑するんですよ。なぜかというとボストンはカトリックが強いからです。その総本山たるカトリック教会は絶対的な権力を持ち、タブーな存在でした。

 記者たちが取材を進めていくと、ある神父が不自然な転任を繰り返していることに気付きます。神父が問題を起こすたびに転任させるというのを繰り返していたんですね。被害に遭った元少年や弁護士に取材を重ねていくと教会による隠蔽システムの存在が明らかになって…。衝撃の結末はぜひ、本編でご覧ください!

 長年明るみに出なかったのは、子供たちが神父さんのことを尊敬しているがゆえに、虐待を言い出せないところにありました。また、貧困家庭に対しては示談金で口を封じるなど弱みに付け込んでいたから。

 親としては信頼のおける保育園に子供を預けたいけど、待機児童の問題もあり入ることが優先。また、保育士さんも人手が足りず、コロナの影響もあって負担が増えている。今回の事件は許されることではありませんが、保育士さんの労働環境も考えてあげないといけない。そういう意味では、保育士個人の問題にとどまらず、社会全体の問題につながります。内部告発をした方の勇気が子供たちを救い、保育士の労働環境にスポットライトを当てたのかもしれません。

 ☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のシネマラボ」で紹介している。

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