舐めプからのマヌケ面
ゲームなどにおいて、自分の方が優勢だったときに対戦相手を小馬鹿にしたような舐めたプレイを「舐めプ」と言います。「舐めプ」がキッカケで、大逆転が起こることも少なくありません。最近ではワールドカップカタール大会で格上のチームが負けたときに「舐めプしていたから負けたのでは」なんて言われてもいました。今回はマンガのなかで「舐めプ」をして痛い目にあったキャラを紹介します。
●『ONE PIECE』エネル
まずは『ONE PIECE(ワンピース)』(著:尾田栄一郎/集英社)のエネルです。登場時は雷を自由自在に操れる「ゴロゴロの実」の力によって、空島の王として君臨していました。実際、雷の力はかなり強力で……億単位の電圧の攻撃を相手に放つことができる上、自らの体を雷に変化させることで人知を超えた速度で移動することもできます。ちなみに雷の光の速さは秒速約30万kmだそうです。
また、マントラ(心綱)という能力によって相手の行動を先読みすることもできる上、体から電波を飛ばすことで、離れた場所にいる人の会話を自由に聞くこともできます。まさに神の領域。当時ではまだ作品内で「覇気」という概念がはっきりと登場してはおらず、「悪魔の実」の強さ=能力者の強さというガチャ的な雰囲気も漂っていたため、エネルはまさに最強の敵でした。
これだけ強い分、エネルの性格もかなり傲慢でした。自分以外の人びとを当たり前に見下し、殺すことに何のためらいも見せません。ルフィとの対決でも最初は「パラミシア(超人系)か。話にならん」と余裕を見せていました。しかし、ゴム人間であるルフィに雷が効かないことが分かると、かなりの動揺っぷりを披露。鼻水を垂らしながらあんぐりと口を開けるマヌケ面をさらします。その後は、エネルも工夫をこらして戦おうとしますが、結局はルフィの前に敗れてしまいます。もしもエネルが「悪魔の実」の力だけでいい気にならず、努力をしていれば結果は変わっていたかもしれません。

優等生キャラがまさかの「舐めプ」?
●『ドラゴンボール』孫悟飯
続いての「舐めプ」は、『ドラゴンボール』(著:鳥山明/集英社)の「セル編」での孫悟飯です。人造人間16号を目の前で殺されたのをキッカケに怒りを爆発させ、スーパーサイヤ人2へと覚醒した悟飯は、セルを圧倒するほどの実力を見せます。
しかし、16号を殺された怒りからか、それともずっと優等生として生きて来た自分の人生への反動がここで出てしまったのか、すぐにはとどめを刺さずに「あんなやつはもっと苦しめてやらなきゃ……」と悟空たちの忠告も聞き入れません。しかし、その甘さがセルの自爆、そして悟空の死へとつながるなど、かなりのピンチを招いてしまいます。普段は優しく、戦いとなると甘さが出てしまう悟飯の人間らしさが出た「舐めプ」シーンでした。
●『カイジ 賭博破戒録』大槻班長
続いては『カイジ 賭博破戒録』(著:福本伸行/講談社)の「地下チンチロリン編」に登場する大槻班長です。カイジが送り込まれた地下労働施設で、特殊なサイコロを使ったイカサマを行い、金をむしり取っていたかなりあくどい人物です。どんなことがあっても最後はイカサマで勝てるという自信から、カイジに対しことあるごとにバカにした言動を繰り返したり、賭ける金額に上限を設けない「青天井ルール」を受けたりと余裕を見せます。
しかし、これが運の尽き。カイジの策略によってイカサマを暴かれた上、カイジの誘導にまんまと乗せられて「特殊なサイコロ」を使った勝負続行を了承。カイジは大槻が使っていたイカサマサイコロよりさらに強い「1の目しか出ない特殊なサイコロ」を使い、見事に大槻から大金を奪い取りました。
●『鬼滅の刃』サイコロステーキ先輩
最後は『鬼滅の刃』(著:吾峠呼世晴/集英社)の「那田蜘蛛山編」に登場するサイコロステーキ先輩こと「累に刻まれた剣士」です。主人公・竈門炭治郎が下弦の伍・累と戦っている途中にフラッと現れ「こんなガキの鬼なら俺でも殺れるぜ」と舐めて斬りかかると、累の糸の前に一瞬でサイコロステーキのように切り裂かれてしまったとても残念な先輩です。
「舐めプ」は普通、自分より弱いと思う相手に対し行われるものですが、まさかの格上相手に「舐めプ」してしまう大失態。ある意味最上級の「舐めプ」と言えそうです。