“時代を先取りしていた”再評価が進む青春映画『ゴーストワールド』22年ぶり劇場公開

“時代を先取りしていた”再評価が進む青春映画『ゴーストワールド』22年ぶり劇場公開

15歳のスカーレット・ヨハンソンと17歳のソーラ・バーチ主演の青春映画『ゴーストワールド』22年ぶり劇場公開 (C)2001 Orion Pictures Distribution Corporation. All Rights Reserved.

(ORICON NEWS)

 2001年に公開され、「ダメに生きる」というキャッチコピーが反響を呼び、当時は新しい“低体温系”青春映画としてヒットした『ゴーストワールド』が、11月23日より、東京のBunkamura ル・シネマ 渋谷宮下ほかにて、22年ぶりに劇場公開される。

 アメリカで「ティーンエイジャーのバイブル」として高い人気を誇ったダニエル・クロウズの同名グラフィック・ノベルが原作。70年代のカルト・コミック『フリッツ・ザ・キャット』の原作者ロバート・クラムを描いた『クラム』(1994年)など、ドキュメンタリーに定評のあるテリー・ツワイゴフ監督が、自身初の長編フィクションとして映画化した。

 ロサンゼルス郊外で撮影された本作は、どこまでも続くショッピングモールやファーストフード・チェーンの進出によって、次第に個性を失いつつある1990年代のアメリカの名もなき町が舞台。世界になじめず、いつも周囲をばかにして過ごしているシニカルな2人のティーンエイジャーが大人になることに直面し、自分の居場所を見つけようとする倦怠感に満ちた数ヶ月を描く。

 主演は『アメリカン・ビューティー』(1999年)での演技が絶賛されたソーラ・バーチと、『ロスト・イン・トランスレーション』(2003年)で脚光を浴び、近年は「アベンジャーズ」シリーズにも出演するなど、いまやハリウッドを代表するスター俳優として躍進を遂げたスカーレット・ヨハンソン。撮影当時、バーチは17歳、ヨハンソンは15歳、すぐに意気投合したという2人の等身大の瑞々しい演技をおさめた貴重なフィルムでもある。

 そのほか、一目見たら忘れられないクセのあるルックスで多くのファンを持つバイプレイヤーのスティーヴ・ブシェミ、『ゴールデンボーイ』(1998年)や『BULLY ブリー』(2001年)などの作品で知られ、08年に急逝したブラッド・レンフロが参加している。

 原作者であるダニエル・クロウズはツワイゴフ監督と共同で脚本を執筆、2002年のアカデミー賞で脚本賞をはじめ多くの賞にノミネートされるなど高く評価された。近年では、ゼンデイヤ主演のドラマシリーズ『ユーフォリア/EUPHORIA』(2019年〜)などの作品にも影響を与え、「時代を先取りしていた 」(Los Angeles Magazine)などとさらなる再評価が進み、若い世代にも愛される作品となっている。

 また、長らく入手困難だった原作コミックの日本版の第4刷が5月に発売、廃盤となって久しかったDVDと初Blu-rayも今月28日より発売となった。オフビートで魅力的なキャラクターたち、名言の多い脚本、ヴィンテージの名曲を集めた多彩なサウンドトラックなど、今もなお色褪せない21世紀で最も熱狂的に愛される伝説的傑作の一本だ。

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