高校時代は引きこもり生活を送っていたリュウジ氏。そんななか、病気で伏せていた母親のために料理を作ったことで、料理に興味がわいてきたという。その後イタリアンレストランに就職するも、わずか3か月で退職。「料理人はキツイですね。朝の9時に出勤して夜中の12時にまで働くので、このままだと料理が嫌いになっちゃうと思った」と、理由を語った。
それから、料理とは関係ない高齢者施設に就職するも、やる気を出せない日々が続いた。それを見た上司がリュウジ氏に「入居者の方たちのために料理を作ってみたら?」とアドバイス。これが人生を変えるきっかけになったという。
目を付けた食材がキャベツ。高齢者にとって、生野菜は固く食べづらいが「健康のために食べてもらいたいと」いう思いからだった。「生のキャベツと火の通したキャベツの良さの中間を作れないかなと思って、お湯をかけちゃえと。そしたらシャキシャキとしっとりが混在する料理になって」とオリジナルレシピを考案した。
それにしらす・ごま油・うま味調味料・塩・コショウをあえた、いくらでも食べられることから名付けた「無限キャベツ」を提供すると大好評だった。「料理を作って喜んでもらえるのって、やっぱり楽しいなって。みんなが待っているから、うまいものを作ろうって」と自信がわいてきたという。
そのレシピを忘れないように、メモがわりにツイッターに投稿したところ「やってみます」「激ウマでした!」と喜ぶコメントが次々ときた。素人ながら13万件を超える「いいね」が寄せられたという。
「簡単に作れる」とネット上で大きな話題になり、レシピ本の出版依頼や、テレビ出演など、多くのメディア出演につながっていった。現在の目標を聞かれると「自炊人口を増やしたくて。全く興味がない人でも“こいつの料理なら出来そうだな”って軽い気持ちで見てほしくて。料理の世界のすばらしさを知ってほしい」と語っていた。