文化放送は21日、東京・浜松町の同局で定例会見を行い、9月13日に83歳で亡くなった歌舞伎俳優の市川猿翁(いちかわ・えんおう、本名喜熨斗政彦=きのし・まさひこ)さんの追悼番組を放送すると発表した。
12月26日に放送する「市川猿翁 追悼特別番組 駆け抜けた83年〜夢は終わらない」。
編成部長の村田武之氏は「歌舞伎界のファンを広げて、見方も広げたというふうに言ってもいいかなと思います。昨今、スキャンダルが多くなって、市川猿翁さんのエンターテインメントにおける功績とか素晴らしさが取り上げられる機会が少ない中、我々としては市川猿翁さんの果たした大きな功績をということで。長く舞台をともにしてきた歌舞伎俳優の皆様とか、ゆかりの方にインタビューしながら。当時の肉声かも紹介して追悼番組を放送します」と伝えた。
「スーパー歌舞伎」で人気を集めた猿翁さん。1947年に三代目市川團子を名乗り初舞台を踏んだ。63年に襲名した三代目市川猿之助として長く活躍した。68年の「義経千本桜 川連法眼館」で狐忠信の宙乗りに挑み、大きな話題を呼んだ。以後、宙乗りを数々の作品に取り入れ、5000回を超える偉業はギネスブックにも登録されている。