ワーグナー作品の名演で知られる指揮者の飯守泰次郎(いいもり・たいじろう)さんが15日、急性心不全のため亡くなった。82歳。葬儀は近親者のみで営む。喪主はおい慎太郎(しんたろう)さん。
旧満州(現中国東北部)生まれ。桐朋学園大で故斎藤秀雄に師事した。卒業後はミトロプーロス国際指揮者コンクールとカラヤン国際指揮者コンクールで入賞。バイロイト音楽祭での音楽助手やヨーロッパの歌劇場で指揮したほか、名古屋フィルハーモニー交響楽団や東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団など国内のオーケストラでも要職を歴任。2014〜18年には新国立劇場のオペラ芸術監督を務めた。
ワーグナーのオペラ作品に意欲的に取り組み、国内に広く紹介した。12年に文化功労者、14年に日本芸術院会員、15年に毎日芸術賞。