■新と距離を置いて、冷静になろうと決めた葵だったが…
韓国ドラマ「梨泰院クラス」を日韓共同プロジェクトでリメークした本作は、主人公・宮部新が自分を絶望の淵にたたき落とした長屋茂(香川照之)・龍河(早乙女太一)親子に復讐を誓い、彼らが営む巨大企業“長屋ホールディングス”に仲間と共に挑んでいく下剋上ストーリー。と共に、新を巡る三角関係や仲間たちとの絆も見どころで、ジャンルミックスなエンタテインメント作品となっている。(以下、ネタバレ含みます)
新に「オレを好きになるな」と振られて傷心の葵だったが、りく(さとうほなみ)のアドバイスで、しばらく新と距離を置いて冷静になることにする。「二代目みやべ」を休むことを告げると、「や、やめるの…?」と心配そうに聞く新。「違います。公私混同はしないのでご心配なく」との葵の答えに「あーそうか! 良かった!」と新は一気にテンションを上げる。
「最近働きづめだったから気分転換がしたくなった」と言う葵の言葉をそのまま受け取り、「これまで頑張ってきたんだから、すぐにでも休みを取った方がいい!」と、先日あんなにも傷つけたことをすっかり忘れたかのような爽やかな労いの表情を見せる新。果てしない鈍感さにはあきれるばかりだ。
そんな中、「みやべ」への10億円の投資が白紙に…。投資話は、実は長屋茂の罠だったのだ。最大手の投資家が降りたことで、他の投資家たちも次々に投資を撤回。資金をあてにして「二代目みやべ」の大規模なフランチャイズ化を進めていた新たちはピンチに陥る。
このフランチャイズ化は、「一店舗ずつ出した方が安全だ」と慎重だった新を、葵が「そんなことを言ってたらチャンスを逃す」と、進めさせたこと。空港で投資撤回を知った彼女は責任を感じ、旅行を取りやめて新たちの元へ戻ることにする。
■目の前の優香の手を握りながら、電話で葵と話す新…
その道すがら新に謝りの電話をかける葵。「責任を感じるな。葵はオレに人生を賭けたんだろ? だったらオレを信じてほしい」。葵にそう語りかける新の目の前には優香(新木優子)がいた。優香に「長屋への復讐、苦しみ全部捨てて一緒に幸せになろう?」と懇願されている最中の電話だったのだ。そんな最中に他の女からの電話を取るのもどうかと思うが、さらに新は続けて「オレは、こんなんで潰れたりしない。復讐が終わるまではオレは幸せにはならない。必ず長屋を倒す。それまでは、諦めることも止まることもできない」と、優香の手を握りしめて見つめながら、電話の向こうの葵に告げた。
この斬新すぎる二股行為に視聴者は「おい!」とツッコミまくり。「コレ、どっちにもダメだろ」「一石二鳥な告白…ヤバすぎ」「こんな男のどこがいいのか…」など非難ごうごうだった。
■傷ついた分強くなった葵の恋心
「二代目みやべ」のメンバーとこの窮地を乗り越えようと決意を新たにした後、新は葵を屋上に呼び出し、自分への気持ちの整理がついたのか尋ねる。「死ぬほど好きです」といたずらっぽく笑う葵に戸惑う新。「もしこの気持ちが解雇の理由になるなら、クビにしてください」と大きな目で真っすぐ新を見つめながら言う葵。「クビ…ですか?」と少し上目遣いで尋ねる彼女に、「ヤバい。かわいすぎる!」「これで好きにならないとか、ありえん」とファンは総撃沈。
葵の問いに「それは無理! 無理無理絶対無理!」とクビを全力否定して、「葵がいない『二代目みやべ』は想像できない」と彼女の肩をギュッと掴む新。そんな彼に「勝手ですね」と言う葵。本当にその通りだ。だが葵は「今は、これで満足しておきます!」と、強がりではなく本当に満足そうな表情をした。好きな人が自分を必要としてくれるだけでも幸せなことだ。
「ギブ&テイクじゃなくて、私が一方的に与えてるだけかもしれない。それでも好きなんです」と言った葵。その口調は思い詰めたものではなく、どこか吹っ切れたようなカラッとした印象だった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

