歌舞伎俳優の市川海老蔵が22日、東京スカイツリー開業10周年記念式典の一環で高さ634メートルの頂上から「天空のにらみ」を披露した。
「にらみ」とは市川團十郎家に代々伝わる演技の一つで、にらみを受けると1年間、無病息災に過ごせるとされる。三升の紋を染め抜いた柿色の裃(かみしも)を身にまとった海老蔵は「世界の平和、コロナの収束、さまざまな困難に立ち向かう方々の災いを払う願いを込めまして、武蔵の地、634メートルより、日本津々浦々に至るまで、市川家の家の芸、にらみをご覧いただきます」と口上を述べ、にらみを披露した。
元禄時代に活躍した初代團十郎が、初期の歌舞伎と浄瑠璃を融合させ、歌舞伎における荒事(勇猛、豪快な演技)芸の基礎を構築。市川團十郎は歌舞伎界最高峰の大名跡とされる。海老蔵は13代目として市川團十郎白猿を襲名予定で、年内にも襲名披露公演が行われる。