大名跡を継いだ十三代目市川團十郎白猿(44)の長男・堀越勸玄改め八代目市川新之助(9)が7日、東京・歌舞伎座で「十一月吉例顔見世大歌舞伎」(28日まで)で、新之助として初舞台を踏んだ。
昼の部「外郎売(ういろううり)」に登場。初演した2019年は父との共演だったが、この日は主役として1人で登場。花道から姿を現すと「私の名は八代目市川新之助にございまする〜」とあいさつ。万雷の拍手に包まれた。
最大の見せ場となるのが、劇中での早口言葉。共演の尾上菊五郎(80)から水を向けられると、「そもそも早口の始まりは…」と切り出し、約3分間にわたりよどみなくせりふ回しを披露。3年前と異なり、抑揚もつけており、成長を見せつけた形となった。会場が静寂に包まれる中見事にノーミスで全うした。
劇中では口上も。菊五郎が「新しい新之助くんが初舞台を迎え、大役を務めます」と後見としてあいさつ。新之助は「十二代目團十郎が作り、父十三代目が受け継いだ外郎売。その思いを私が継承します」と堂々とあいさつした。
バックヤードから見守っていた父團十郎も自身のブログで「倅に泣かされました」とその勇姿を称えた。