今さら人に聞けないような“音楽の基本”から、制作の裏側や専門テクニックなど“マニアックな知識”までを掘り下げていく『EIGHT-JAM』。
6月2日(日)の同番組に小林祐介(The Novembers/THE SPELLBOUND)・川谷絵音・関根史織(Base Ball Bear)が登場。3人が天才だと思うアーティストについて熱いトークを繰り広げた。
そのなかで、川谷が「聴いたことのない音楽を奏でる天才」とあげるのが、ゆらゆら帝国のギターボーカル・坂本慎太郎だ。
1989年、坂本を中心に結成されたゆらゆら帝国。日本語のオリジナルロックをコンセプトに掲げ、1992年にはスリーピースバンドにメンバーチェンジし、ポップでストレートなロックサウンドへと変化した。
1998年、初のメジャーリリースとなる『3×3×3』をリリースすると、多くのミュージシャンから絶賛の声が。ライブではチケットが即完売し、錚々たるバンドとの対バンも果たした。
そして2005年からは海外でも活動を展開したが、2010年に解散を発表。その活動に終止符を打った。
川谷が、そんな坂本の音楽と出合ったのは高校生のとき。
祖父の家でゆらゆら帝国『タコ物語』のMVをたまたま目にしたのがキッカケだったといい、「奇怪なメロディーに奇怪なフレーズ。おかしな格好の人たちがおかしな音楽をやっている」と気になったという。
その後、ゆらゆら帝国のライブ映像を観てみると「これだ!ってなって、東京へ行ったら絶対に(ライブを)観る」と衝撃が走ったと振り返る。
上京し、大学時代にはゆらゆら帝国のコピーバンドをしていた川谷。「それまで全然聴いてない音楽ジャンルだったんで、これをきっかけに同じギターを買って…」と坂本に大きな影響を受けたとか。
さらに坂本のソロ曲の中で、川谷にとって欠かせない曲が、2013に発売された『まともがわからない』。
「僕の人生のテーマ曲。現代社会の一番芯をついた歌詞。音楽をやる上でも“自分がまともだと思ってはいけない”というのを、この曲を聴くと思い出します」(川谷)
坂本の「シンプルで芯をついた言葉」がその魅力だと語る川谷。
また、あるインタビューでは坂本が「究極の音楽とは、“普通の曲”。音楽もいろいろこねくり回したあげく、その先にいった曲が結構普通の曲が多いと思う」と答えていたとのこと。その言葉に川谷は「救われた。普通でいいんだ」と感銘を受けたと明かした。