心に残る楽曲のフレーズや、ドラマの名言などを世代ごとに紹介した特番。川崎は18年に書いた「魔法の絨毯」で、後に世間に知られるようになった。
極貧時代、当時の恋人に向けて書いた楽曲だった。その女性は、貯金を取り崩しながらも自分を支えてくれたという。
「魔法の絨毯」は、ディズニー映画でミュージカル化もされた「アラジン」から着想を得た楽曲。まだデビュー前の話で、「ライブだけして、お客さんゼロ人とか。1人、2人…5人来たらめっちゃうれしい」という時代。ある時、彼女は川崎にこう言ったという。「一流の仕事をする人は一流のものに触れた方がいいよ」。渡されたのは、劇団四季のミュージカル「アラジン」の最前席のチケットだった。
アラジンはもともと泥棒で貧乏な生活をしていたが、王女ジャスミンを思う気持ちで人々の心を動かしていく。金も知名度もないが、彼女を思う気持ちだけは負けなかった川崎は、「何となくリンクする部分が(あった)。お金がなさすぎたので」と回想した。
舞台を見た川崎は大いに刺激を受けたようで、「今すぐ帰って書きたい」と作詞に着手。「帰ってそのまま2時間くらいで書きました」と明かした。彼女に聴かせたところ、「これはいいと思うよ。この曲を引っさげて音楽番組に呼ばれると思う」と喜んでくれたという。MCの「極楽とんぼ」加藤浩次が「全部、彼女が導いているんじゃない?」と驚くと、川崎も「ホント、すご腕プロデューサー」と認めた。
川崎が楽曲を発表した18年、その恋人と結婚。そして彼女の予言通り、川崎と楽曲は2年後の20年、世間に広く知られることになる。同年8月、「SNSで最も話題になった曲ランキング」で1位に。TikTokのカップル動画で頻繁に使われたことがきっかけだった。
川崎の人生を変えたストーリーを聞いた「NEWS」加藤シゲアキも感動。「それこそ、魔法がかかってるんですよね。この曲は(歌詞に)“魔法は使えないけど”って言っているけど、この曲自体に魔法がかかっているし、川崎さんの人生にも魔法がかかってる」と、絶賛していた。