■“ボーダー世代3姉妹”の奮闘を描く
同ドラマは、「LOVE」「LIFE」「LIMIT」の“3L”をテーマに、19歳、29歳、39歳と、いわゆる大台を迎える前のラストイヤー＝9ボーダー真っ只中の3姉妹が、モヤモヤや焦りを抱え、幸せになりたいともがきながら人生を前向きに進んでいく姿を完全オリジナルで描くヒューマンラブストーリー。
主人公の29歳の次女・大庭七苗(なな)を川口、39歳の長女・成澤六月(むつき)を木南晴夏、19歳の三女・大庭八海(はつみ)を畑芽育が演じる。
また、3姉妹の“３L”に大きく関わる人物として、物語のキーマンとなるコウタロウに松下洸平、六月が所長を務める会計事務所にやってくる自由奔放な新人公認会計士・松嶋朔に井之脇海、七苗と同い年で幼なじみの高木陽太に木戸大聖が扮(ふん)する。
■後輩やワーママ同期のフォローをする七苗
幼いころに母が離婚で家を出て、父と姉・妹と暮らす中で家事の切り盛りをしてきた七苗。仕事でも最年少で役職がついて期待されているが、恋愛からは少し遠ざかってしまっている。そんな状況に第1話では、自分には「何もない」、また「何をしたいか、どうなりたいかも分かんない」と打ち明けたが、第2話では仕事の悩みが描かれた。
後輩の指導、育成を任されているなかで、入社4年目の西尾双葉(箭内夢菜)は仕事のオン・オフをきっちりさせる今どきな若者で、力を入れなければならないパティシエに交渉に行く日は有給で病院に行くと言って同行を断りつつ、実は美容系クリニックのためだったり、頼んでおいた仕事を忘れていたりで、ままならない。
また、七苗と同期の八木千尋(奥村佳恵)は育児をしながら仕事をがんばっているワーキングママで、たびたび七苗が仕事をフォロー。今回も子どもが熱を出してしまい、部長と行く会食の代わりを頼まれた。その日は、ずっと前から予約していたレストランでの食事を楽しみにしていた七苗だが、千尋のピンチを見捨てることはできず、引き受けた。
そんな七苗に部長の言葉が突き刺さる。家庭と仕事を両立していると千尋のことをほめ、双葉も成長しているからさらなるサポートを念押し。会食の場でも、七苗は「プライベートよりも仕事派」と勝手に決めつけられた。
■「大丈夫じゃない」でも「一周回って大丈夫」、七苗に共感集まる
会食終わり、重い足取りで公園に立ち寄った七苗。千尋から「今日はありがとう 大丈夫だった？」とメールが入り、「大丈夫じゃない」と一度画面には打ち込んだが送信はしなかった。
そこにコウタロウが現われ、いつもの元気がないと指摘されると、後輩を育てることや同期の“代打”、せいいっぱいやっているつもりなのに「やって当たり前扱い」されるのだと語った。「なんだかな〜」とため息がもれる七苗。
するとコウタロウは、記憶がない自分のことを心配してくれ、仲間も助けている状況を「偉いよ」と言い、楽曲「世界でいちばん頑張ってる君に」をアカペラで歌った。
みるみるうちに瞳に涙がたまる七苗。そのとき、千尋からケータイに着信があり、謝罪を受けると「大丈夫じゃない…」とポツリ。続けて「でもこんなふうに思う自分も嫌だし。じゃあ、なんで千尋のこと手伝うのかなって思ったら、一緒に頑張りたい。つまり、一周回って大丈夫。だからそんなに謝るな。胸張って“お母さん”して」と告げた。
本当は大丈夫じゃないってこともある。けれど、かけがえのない同期と頑張りたいというのも本当の気持ち。それを打ち明けることができてよかった。そんな七苗には、アカペラで応援してくれて、背中を優しくトントンしてくれるコウタロウもいるのだ。
SNSには「七苗ちゃん、かっこよかった」「大丈夫じゃないって吐き出せてよかった」「千尋さんも救われたと思う」「七苗の優しさに泣ける」「大丈夫じゃないけど一周まわって大丈夫、わかりみすぎて」「私のところにもコウタロウさん来て」といった声が上がり、大きな反響となった。
◆文＝ザテレビジョンドラマ部
