音楽家の坂本龍一(さかもと・りゅういち)さんが3月28日に71歳で死去したことが発表されてから一夜明けた3日、映画監督の山田洋次氏(91)が追悼のコメントを発表した。
坂本さんは山田監督が監督を務めた映画「母と暮せば」(2015年公開)で音楽を担当。坂本さんは2014年7月に咽頭がんを患い、療養していたが、坂本さんも同監督の「男はつらいよ」シリーズの大ファンだったため、初タッグながらもオファーを快諾し、同作の音楽が復帰作となった。
▽コメント全文
月刊誌に掲載されていた坂本さんの闘病記を、この著者に奇跡が起きて回復するのではないか、ぜひそうあって欲しいと祈るような思いで読んでいましたが、それは叶いませんでした。
大江健三郎さんに続いて、世界中の人々に敬愛される日本の二人の優れた芸術家ーー反原発、反核の訴えを市民とともに行動したたぐいまれなお二人の死を、どれだけ多くの心ある日本人が惜しんでいることだろうか。
「母と暮せば」という映画の作曲者として一緒に仕事をしました。
大江さんは著作のなかで DECENCY という言葉をよく使われるが、坂本さんはまさにその意味で DECENT な人柄だったことを今しみじみ追想します。