歌舞伎俳優の尾上松緑(47)が18日、東京都内で行われた「第51回 令和四年度 大谷竹次郎賞」の授賞式に出席。昨年10月に東京・歌舞伎座で主演した新作歌舞伎「赤穂義士外伝の内 荒川十太夫」が新作歌舞伎の優れた脚本に贈られる同賞に選ばれ、脚本を担当した狂言作者の竹柴潤一さんとともに受賞を喜んだ。
受賞作が出たのは3年ぶり。「荒川十太夫」は講談の名作として知られ、忠臣蔵で有名な赤穂義士の1人、堀部安兵衛が切腹する際に介錯(かいしゃく)を務めた下級武士の苦悩と覚悟を描く。
講談好きで人気講談師の神田伯山(39)との交流も深い松緑は同作の歌舞伎化に尽力し「今いろいろな作品が新しい歌舞伎として生み出されている中で、極力、奇をてらったようなことをしないで新作を作っていきたいということがベースでありました。このように評価していただけることとなったのは本当にありがたい。協力してくださいました神田松鯉先生、伯山先生にも顔向けができるのではないか」と笑顔。「これを糧に、古典に準じたような新作をこれからも皆さんと協力して作っていきたい」と意気込んだ。
松緑は歌舞伎座の「二月大歌舞伎」(2月2〜25日)で第一部「三人吉三巴白浪」と第二部「船弁慶」に出演する。