女優の小雪(45)が5日、東京都内で主演映画「桜色の風が吹く」(松本准平監督)の公開記念舞台あいさつに共演の田中偉登(22)、吉沢悠(44)らと出席した。
視力と聴力を失った「盲ろう者」でありながら東大教授となった福島智さんの実話を元に映画化。小雪は福島さんの母で主人公の令子役を務め、今作は12年ぶりの主演となった。福島さんも登壇し、「映画の中の智の40年後です。なぜか若いころより背が低くて、だいぶ太ってしまいました…」とユーモアたっぷりにあいさつした。
小雪は「先生やご家族、お母さまのご苦労は想像を絶するものだったと思います。だからこそ見えてきた新しい世界というものがあり、先生がその道を切り開き、みんなに希望を与えてくださった。作品から先生の力強いエネルギーを感じていただけたら」と福島さんを横に感無量の表情を見せた。
映画に合わせて桜色に髪の毛を染めてきた福島役(青年期)の田中は見えない、聞こえないという難役。「いろんなプレッシャーがあったけど、苦しい、つらい感情だけでなく、楽しかった時や家族とのつながり、福島さんが感じた通り一滴もこぼすことなく伝えることが僕の使命。今日を迎えられてうれしい」と熱く語った。
壇上では盲ろう者に言葉を伝える新たなコミュニケーションの手段“指点字”を小雪と田中が披露。小雪は「もっともっと指点字の世界が広がってほしい」と呼び掛けた。