日本の芸能界でも二刀流が旋風を起こすか。俳優・小栗旬(40)が、所属事務所トライストーン・エンタテイメントの社長就任と報じられた。取締役会の承認を経て、この夏にも俳優と管理職を兼ねたプレーイングマネジャーが誕生する。
「俳優の竹内力、ミュージシャンの西川貴教ら、二刀流はすでにいて、うまく回していますよ。演技の才能とマネジメントの能力は別物ですけど、どこかつながっているところもあり、その両方で力を発揮する人はいる。そういえば、あの石原裕次郎さんもそうでしたね」(芸能プロデューサー)
日本の芸能界とりわけ映画界は俳優の気持ちも分からず、分かろうともせず、カネ勘定ばかりで搾取するような裏方上がりが牛耳ってきたところもあるという。
「その分、どちらにも通じている者が『組』を引っ張るのは良いことと歓迎される。小栗のような者が出てくると反発を買ったり、『この若造が何を偉そうに』などと叩かれてきましたが、もうそういう村社会のような風潮はやめるべき。滝沢秀明氏がジャニーズを出て、自分でやり始めたように、どんどん新しい潮流をつくっていくべきですよ」と続けた。
小栗は2005年にドラマ「花より男子」(TBS系)でブレーク、22年のNHK大河「鎌倉殿の13人」は主演のほか、プロデューサーのように現場をまとめていたそうだ。小栗を知る関係者はこう言う。
「もともと裏方のプロデューサー志向なのですよ。ベストセラーの映画化を試みて実現しなかったり、アメリカ流にならって俳優の待遇改善に動いて、労組を結成かと報じられたりもした。歌舞伎の重鎮からお笑い、アイドルまで、いろんなキャストに気を使い、気持ち良く演技に集中できるように差配する姿もあった。親分肌でもあり、彼を慕う後輩も多いですよ」
もっとも、不安要素もないわけじゃないようだ。
「理想主義、完璧主義はいいにしても、それに走りすぎると、採算割れして大赤字なんて例はいくつもある。勝新太郎はそれで勝プロを潰したようなものでしたから。ですので、そのあたり歯止めをかけてくれる参謀がいるかどうかは大きいかも。父親は舞台監督、兄は演出家と、芸能一家だけに、いろんなアドバイスも得られるでしょうけど、親族でやると骨肉の争いになったりするケースも。彼はストイックで真面目ですが、このあたりの柔軟さ、バランス感覚が、成功のカギを握るかもしれません」(前出の関係者)
■綾野剛はガーシー砲を被弾し…
さらに令和の時代のプロダクション経営にはこんな“裏仕事”も。
「所属タレントの綾野剛が“ガーシー砲”で過去のスキャンダルをばらまかれたように、従前の週刊誌などのマスコミ対策とともにSNSなどへの対応も求められます。現社長の山本又一朗氏もガーシー対策のために各方面に奔走していましたから」(芸能プロ幹部)
小栗が新時代の芸能界の旗頭になるのか。