将棋の永瀬拓矢王座が16日、東京・丸の内のパレスホテル東京で行われた第70期王座就位式に出席した。
紋付きはかま姿の永瀬はトロフィーの重みに笑顔を見せた。謝辞では「これまで藤井竜王、渡辺名人、豊島九段との番勝負で勝ったことはなく、ここで結果を残したいと思っていた。厳しい戦いのなかで得難い経験ができたシリーズでした。来期は名誉王座をかけたタイトル戦になります。全身全霊でがんばります」と述べた。
今年8〜10月に行われた五番勝負で挑戦者の豊島将之九段相手に3勝1敗の成績で防衛し、4連覇を達成した永瀬。名誉王座の称号に王手をかけた。
花束贈呈には漫画「週刊少年ジャンプ」で漫画「僕とロボコ」を連載する漫画家の宮崎周平氏が駆けつけた。永瀬が同作の大ファンだという。
宮崎氏は「超大人気漫画を書いています(笑い)」と冗談交じりに自己紹介。「少年漫画は主人公が我々と同じように勇気を持って決断すること、それに読者は共感し、心が動かされるのかなと思っています。今回の王座戦も豊島九段という最強の挑戦者を前に第1局を落とし、劣勢にも関わらず、それまでの自分の努力を信じて一手一手勇気をもって決断し、勝利をつかむ永瀬王座の姿は少年漫画の主人公より勇ましく見え、大変感動しました。これからも人の心を動かすような熱戦を見せていただければといち将棋ファンとして応援しております」と永瀬を少年漫画の主人公と重ねた祝辞を述べた。