【東スポ音楽館】演歌歌手・原田悠里が日本作詩家協会によるコンテスト「日本作詩大賞新人賞」で応募された曲の中から厳選した2曲を先月30日にシングルとして発売した。「淡月(あわづき)」(作詞・永田悦雄/作曲・徳久広司)と「嘘つきキツツキ」(作詞・吉津佳風/作曲・森脇哲)だ。2曲とも対照的な世界観を表している。
――この2曲が選ばれた経緯は
原田「1745通の応募の中から優秀作品を2曲選んで音源化しました。私も100曲ぐらいの歌詞を見せてもらいました」
――「淡月」はどんな作品ですか
原田「女の情念を描いていて、道ならぬ人との一夜を共にした後の切なさを歌っています。一夜を共にしたその一瞬、一場面を切り取って、その情景を『淡月』、『儚月(はかなづき)』といろいろな“月”に絡ませて表現しています。ある意味、すごく完成された作品だなって思います」
――レコーディングの方はいかがでしたか
原田「作詩家協会の方々がズラッとそろって、オーケストラも入ってと、すごく豪勢な感じでレコーディングをしました。その時、歌っていたものは、みなさんのOKをもらったのですが、自分の中で、この詞を表現するには、この歌い方ではダメだなって納得できない部分があって、別の日にレコーディングをし直しました。そのくらい気持ちの入った曲です」
――カップリングの「嘘つきキツツキ」の方はかなり雰囲気が違う
原田「『淡月』が壮大な叙情演歌であるのに対して、『嘘つきキツツキ』は好きな男性に甘える女性のかわいらしさを描いているポップ調の曲なんです。全く違う世界を歌っているので、“2人の原田悠里”を楽しんでもらえるかなと思ってます」
――曲調もずいぶん対極的なものになっている
原田「曲を作ってくれたのが、私のバンドメンバーの方なんです。私がコンサートで、黄色いミニスカートをはいて歌ったりすることもあるんですが、それをイメージして曲を作ってくれました。だから、この曲を歌う時にはミニスカートをはかなきゃいけないかもしれませんね」
――今年は師匠の北島三郎さんと共に北島ファミリーで博多座、新歌舞伎座、御園座と「ファイナルコンサート」を行ってきた
原田「今は明治座で一緒にやらせてもらっている最中ですが、本当に泣けます。ファイナルと銘打っているし、ファンの方はみんな号泣しているんです。私も師匠のステージを見ていると、涙が出てきそうになるんですけど、泣いている場合じゃないですからね。グッと我慢してます」