安藤サクラ、若き主役2人の演技に驚嘆「出来上がった作品を見て感動しました」

監督・是枝裕和、脚本・坂元裕二のタッグによる映画「怪物」の完成披露試写会が5月8日に開催され、是枝監督、坂元のほか、主演の安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、共演の高畑充希、中村獅童が登壇。歴戦の実力派俳優陣の中に入り、安藤・永山と共に主演という形で難しい役どころを務めた黒川と柊木について、是枝監督や安藤らが印象を語った。

■是枝裕和監督×坂元裕二脚本の初タッグ作品

同作は、「万引き家族」でカンヌ国際映画祭最高賞パルム・ドールに輝いた是枝監督と「花束みたいな恋をした」などで知られる脚本家・坂元、そして「ラストエンペラー」で日本人初となるアカデミー賞作曲賞を受賞し、国内外問わず第一線で活躍した坂本龍一さんが音楽を担当して制作されたヒューマンドラマ。

物語の舞台は、息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、無邪気な子どもたちが平穏な日常を送る大きな湖のある郊外の町。ある日、学校でケンカが起き、彼らの食い違う主張が次第に大人や社会、メディアを巻き込み、大事になっていく。そして、ある嵐の朝、子どもたちが忽然と姿を消す…という物語だ。

■是枝監督「会った瞬間に『この子なんだな』と」

2009年12月5日生まれで現在13歳の黒川と、2011年9月10日生まれで現在11歳の柊木はオーディションで選ばれたという。ズバリ“決め手”について聞かれた是枝監督は「オーディションはいつも直感なんです。直感で決めて、『この子と時間をかけて映画を作るんだ』という覚悟ができたら、もうそれだけなんですけど」と前置きしつつ、黒川については「横顔のラインがいいなと思った」と評し、柊木については「役にピッタリ。会った瞬間に『この子なんだな』と。『依里くん(役名)が登場したな』と思いました」と明かす。

同じくオーディションに参加したという坂元も「お二人とも初めて拝見したときから素晴らしいお芝居をされていて、役に合っているなと思いました。この物語は僕自身の子どもの頃の体験を基にしている部分があるんですけど、僕が黒川くんの立場になってしまって恐縮なんですが、柊木くんは転校して行ってしまったその時の友達に似ているんです。似ていると思い込んでいるだけなのかもしれないんですけど、そう思ってしまいました」と話すと、柊木はうれしそうに坂元を見つめていた。

また、黒川演じる湊の母親役を務める安藤は、黒川と柊木について「タイプの違う2人で、私自身も是枝組の『怪物』チームのみんなもそうだと思うんですけど、全然子どもだっていう風にはカテゴライズしていなくて、一緒に作品を作る同士として、いろんな話し合いをしていく中で、お芝居をしていても、2人のタイプが違うので、私も毎度すごく刺激を受けていて、それはそれはとても楽しかったです。出来上がった作品を見て、現場でも(芝居を)見ていたし、普段も時間を共にしていたのに、本当に自分の想像をはるかに超えた主役の2人が映っていたことに感動しました」と賛辞を送る。

今作で難しい役どころを務めた黒川は、撮影を振り返り「お芝居をしている時はあまり何も考えていなくて、カットがかかったときに、湊から自分に戻れなくて…。湊に入ると苦しくなったり、悲しくなったりすることもあって。でも、とても楽しかったです」と明かす。

それを受けて「お芝居で悩んだりしませんでしたか?」と聞かれた柊木は、「そうですね。特に悩まなかったです」と語り、初めての舞台あいさつとは思えない堂々とした受け答えに、共演者も目を細めていた。

映画「怪物」は、6月2日(金)より全国ロードショー。

◆取材・文・撮影=ブルータス・シーダ(STABLENT LLC)

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