TBSの安住紳一郎アナウンサーが2日、司会を務める同局系「新・情報7days ニュースキャスター」(土曜・後10時)に生出演。同局が11月26日に旧ジャニーズ事務所(現SMILE―UP.)との関係や報道対応を検証するため設置した特別調査委員会による調査結果を公表し、番組で放送したことについて、コメントした。
この日の番組冒頭、「この番組の中でも再三、きちんとお伝えして参りたいとしてきましたので、すべてではありませんが、ここで報告させていただきます」と話した安住アナ。
「今回の性加害について、なぜ報じてこなかったのか。さらにいくつかの具体例を上げまして、芸能事務所とのいびつな構造になっていなかったのかどうか、外部委員の皆さんを含めての調査報告です」と続けた後、番組では調査委に外部の弁護士が加わり、同局役職員やOBら125人にヒアリングした報告書の「事務所との良好な関係性を維持するための『特別な配慮』を強めてきた歴史が明らかになった」との内容を報じた。
故ジャニー喜多川氏による性加害の真実性が、2004年に最高裁で確定したことなどを報じてこなかった点について「人権意識の希薄さ」があったと指摘。今年3月に英BBC放送が報じ、社会的な関心が高まった性加害問題についてTBSの報道が遅れたことについては、編成局など他部署の事情を踏まえた「事務所への配慮が働いていた」と結論付けた。
09年4月に公然わいせつ容疑で逮捕され、釈放されたアイドルグループのメンバーが乗り込んだ車を、メディアの取材を避けるためTBS局内に待避させたことも「特別な配慮に基づく過剰な便宜供与だった」と断じたなどの内容を次々と報じた。
これらのVTRが流れた後、安住アナは「ニュース編集権の独立という言葉が(報告書には)何度も出てきますが、民放はNHKや公的機関と違いまして、民間企業として利益を追求しなくてはという側面もあり、それゆえ余計にニュース編集権の独立は強く意識しないといけないと言うことなんですが、外部委員の先生方からもペンを鈍らすなという気持ちは不文律として社内には存在しているのだろうが明文化されていないという指摘もされています」とした上で「その上で9つの提言というものが示されました。TBSは組織として足りないものがある。なので、この9つのポイントについて見直しなさいということです」と続けた。
その上で「番組も私自身も番組への向き合い方をもう一度、考え直します」とカメラを見据えて決意表明した。