ホン・サンス監督は2月19日(現地時間)、31番目の長編映画『旅行者の必要』の出演俳優らと共に、記者会見やレッドカーペットなどに参加。ただキム・ミニの姿を見ることはできなかった。
今年のレッドカーペットには、ホン・サンス監督をはじめ、映画に出演したフランス女優のイザベル・ユペール、カン・スンユン、ハ・ソングク、チョ・ユニ、クォン・ヘヒョが参加した。
「私も私が何をしているのかわからない」
ホン・サンス監督は同日、ドイツ・ベルリンのグランドハイアットホテルで開かれた記者会見で、「映画は計画的に作るよりは、私に与えられるという気がする」と話した。この発言は、ホン・サンス監督の映画で主に使われてきた“独白技法”が今作は使われていないことに対する取材陣の質問に対するものだ。
これまでホン・サンス監督は、登場人物の台詞や独白を通じて、自分の内面的な話をする演出方法をよく使ってきた。彼は「必ずしもどのように作らなければならないとは思わない。観客を考えて撮るわけでもない」とし、「特に理由があるのではなく、私が映画を作る自然な過程を信じる」と伝えた。
また、「過去には理由を持って映画を作ろうとしたが、今は特にそうとは言えない。自分の中にあるものが毎日表現される。キャラクターもその過程でそうなったようだ」と説明した。
年上の女優の寂しさを描いた作品を制作した理由については、「よくわからない。その感情が私に来たようだ。このように言えばあまりにも無責任に聞こえるかもしれないが、私も私が何をしているのかわからない」と答え、笑いを誘ったりもした。
『旅行者の必要』はホン・サンス監督の31番目の長編で、今年のベルリン映画祭のコンペティション部門に正式招待された。ホン・サンス監督は今回の作品で5年連続、ベルリン映画祭に参加している。『旅行者の必要』は、フランスから韓国に来たというイリス(イザベル・ユペール)が韓国人にフランス語を教え、マッコリを飲みながら生活する話を盛り込んだ。
ホン・サンス監督と“不倫関係”にある恋人のキム・ミニは、今回の映画に「制作室長」として名を連ねた。ホン・サンス監督とキム・ミニの関係は2017年に公表され、今年で8年目となった。
ホン・サンス監督は現在も妻との離婚が成立していない。