「千と千尋の神隠し」で湯屋の番台蛙を演じている大泉。そのきっかけは伝説の番組「水曜どうでしょう」だった。当時スタジオジブリ内で「水曜どうでしょう」ブームが起き、大泉をキャスティングしたいとの願いで出演が実現したという。
宮崎駿監督とのエピソードを振られた大泉は「もうね、本当に今でも忘れられないんですけど、初めてやるし、声優さんってせりふを覚えなくていいと思うじゃないですか、見るんだから。覚えないで行ったわけですよ。そしたら、番台蛙はせりふ回しが速かったんですよ。台本を見てたら全然間に合わなかったんですよ。で、緊張もしてるし。全くうまくできない」と収録に苦戦したことを振り返った。
しまいには宮崎監督に「じゃあこうしましょう」と提案されたという。「“お客さんに言うせりふと千尋に言うせりふを分けて録りましょう”って言われて。要はそんな風に録りたくないんだろうなというのは分かるわけです。でもどうしようもないから分けて録らしてくれってなる」と、宮崎監督の心境を気遣った。
続けて「後日、ガヤ(の収録)にも呼んでもらってた。(収録時に)“もしかしたらその時に録り直させてくださいっていう可能性もあるかもしれない”って言われて。それで僕はすっかり落ち込んで帰ったわけですよ。“本当に駄目だった”と。ものすごい落ち込んだ。悔しかったから今度はせりふを覚えたんです」と話した。
そして「そしたらガヤのときに駿さんがもう1回来てくれて、“すいませんね、もう1回だけ番台蛙録らせてください”って言ってくれて。“きた!”と思って。今度は覚えてるからバーンとやったわけですよ」と収録に再チャレンジ。「もう1回で、駿さんが“大変良くなりました”ってOK出たんです」と明かし、「うれしかった」としみじみ語った。