女優の吉高由里子が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合など)の第20話が19日、放送され、帝に次ぐ地位、女院の座にある藤原詮子(吉田羊)を呪詛した真犯人が誰かについて、多くの視聴者が想像をめぐらせた。
平安時代を舞台に、「源氏物語」の作者として知られる紫式部(まひろ、吉高)の幼少期からの生涯と、「源氏物語」の執筆や権力者、藤原道長(柄本佑)とのかかわりを軸に描く波乱の一代記。この日の放送で、内大臣、藤原伊周(三浦翔平)とその弟で中納言、隆家(竜星涼)が勘違いから先代の天皇、花山院(本郷奏多)の牛車に矢を放った事件を契機に、のちに「長徳の変」と呼ばれることになる政変が勃発。事態を重く見た一条天皇(塩野瑛久)は2人を処罰することを決め、当面参内禁止の謹慎処分を下した。
その間、右大臣を務める弟、道長が暮らす土御門殿に身を寄せていた詮子が体調を崩し、悪い気を感じた道長の嫡妻、源倫子(黒木華)が家人に命じて縁の下まで徹底的に家探しすると、壺などに収められた無数の呪符が見つかった。詮子は、道長を追い落としたい伊周の企みと決めつけて激怒。道長も驚いて、屋敷の中に伊周の息のかかった人間が潜んでいるのではないかと疑い、帝を呪詛するに等しい暴挙だと危機感を募らせた。しかし、倫子はいたって冷静に、間違いがあってはいけないからこの一件を自分に任せてほしいと話した。倫子の意味ありげな微笑みから何かを悟った道長は、観念したようにため息をつくと、望みどおりに一任し、帝にも知らせないと約束した。
後日、検非違使庁(平安京の警察組織)別当を務める藤原実資(秋山竜次)は、伊周が祖父である高階成忠に命じて道長と詮子を呪詛したことがわかったと、一条天皇(塩野瑛久)に奏上。これが決定打となって、伊周と隆家たちは左遷されることが決まった。しかし、伊周自身は呪詛を否定した。劇中でも、呪詛の真犯人が誰かについては明確に描かれなかったが、先代の関白の長男で、帝の義理の兄という強い立場にある伊周を牽制(けんせい)し、道長の権力基盤を固めたい詮子か倫子、あるいは2人の共謀によるのではないかと見立てる視聴者が続出。SNSには、「めちゃくちゃ出てくるじゃん! 多すぎる…変だな?」「こっそり出来るようなレベルの呪詛じゃないでしょこれ」「女院様の自作自演では…?」「呪詛は倫子のヤラセ?」「一番敵にまわしてはいけないのは倫子さんだったようだな。怖ろしい」など推察する声が殺到した。
また、詮子や道長の父で右大臣、摂政を歴任して権勢を振るった兼家(段田安則)が、自身の病さえも策謀に利用したしたたかさを思い出し、「さすが兼家のDNAを受け継ぐ詮子さま」「やることそっくり」「兼家が晴明とグルだったように、女院様と倫子様は結託してるよ」などと詮子の姿に重ねたコメントも寄せられていた。