兼近は「僕はそういう人のところで育っていたんですよね」と話し始め「非行少年の中に僕もいましたし、そういう人と僕って違うなとか思ってたから、多分その中から出てきたっていう。そこから抜け出そうって思ったきっかけとかも、そういうのを見たからだと思うんですよね。何度も同じこと繰り返したりとか、反省しない…。滅茶苦茶いいヤツなのに、平気で人の人生を終わらせるようなヤツとかを間近で沢山見てきたんですよね。だから、僕は違うな、こいつらとちょっと違うかもと思って離れたってのもあるんですけど…」と語った。
また、“非行少年”と言われる人たちについては「圧倒的に居場所がなかったですね、皆。僕もですけど。居場所がない、愛されたい、求められたいっていう承認欲求。どうしたら、でも能力もない。じゃあ目立つこと、悪いことすることで仲間に入れてもらえる、皆に見てもらえるってのが、大半の僕の仲間たちでしたね」とした。
さらに、更生している人たちについて「非行少年だった人が真面目になったから偉いとかそんな訳ないと分かっているんですけど…。でも、赤ちゃんって皆ほめるじゃないですか。かわいいね、すごいねって。そういう状態だと思うんですよね。何もできないし、何の社会性も身につけられず、何の能力もなかった人が必死に社会に溶け込もうとしているから、偉く見えると言うか…頑張ったねっというのはあると思うんです。できる訳なかった人たちなんで。一生こっちに来るなよと言われている人たちが、必死にこっちに入ろうとしているっていうのは、よくやってんじゃんって。それなりに普通を目指している、よちよち歩きくらいは、すごいと言ってあげたい。認められる訳じゃないですけどね」と語った。