会見中、改めて北島への思いを問われた入江は「自分が初代表の頃から北島康介さんがいらっしゃって、その時にはアテネ五輪で二冠をされている状況でした。本当に雲の上のような存在でした。自分自身、いつか金メダルを獲りたい、獲れるという気持ちにさせて北島康介さんが近くにいてくださったからだと思いますし、一緒にメドレーリレーに組めて、一緒にメダルを獲れて本当にうれしかった」と感慨深げに回想。
北島引退後は「康介さんの思いを後輩たちに伝えていかなければいけないと思って、代表として過ごしていた」といい「それができたか、できなかったかは分からないけど、東京五輪、世界水泳のキャプテンを任されて、そうやってチームを引っ張ることができたことはうれしい経験でした」と少し誇らしげに笑みをこぼした。
そして会見終盤、記者からの質疑応答を終えると“スペシャルゲスト”として北島が登場すると、何も知らされなかった入江は驚き、すぐに涙があふれた。笑顔で肩を叩いた北島は「陵介、本当に長い間競技生活、ご苦労さまでした」とメッセージ。「僕が引退した後の日本代表の中心。後輩やコーチ陣をまとめて牽引してくれた心強い存在」と最大級の賛辞を送った。
入江は「ありがとうございます。びっくりしちゃって…、びっくりの涙です」と照れながら涙を拭い「ここからも長いのでまたアドバイスをもらえたら…。あと今度、ゴルフに連れて行ってください!」とちゃめっ気たっぷりに呼びかけていた。
入江は、1990年1月24日生まれの大阪府出身。0歳から水泳を始め、中学の時に種目を背泳ぎ一本に絞る。 高校1年の時、はじめての高校総体200メートル背泳ぎにおいて優勝。2011年8月に行われたユニバーシアードで三冠を達成。2012年ロンドン五輪では200メートル背泳ぎの銀メダル含め3個のメダルを獲得。2016年リオ五輪出場。2021年東京五輪に出場し、4大会の五輪日本代表となり、競泳日本選手団の主将を務めた。2022年国際大会日本代表選考会にて7大会連続の世界水泳日本代表選手となった。