「古市憲寿のエンタメ社会学」。今回は俳優・横浜流星さんにインタビュー。
甘いマスクと高い演技力で多くの作品に出演。名前の通り、いま最も“輝く”俳優の一人ですが、内面はとてもストイック。
古市憲寿(以下、古市):「流星」っていうのは本名?
横浜流星(以下、横浜):はい。
古市:どんな理由の名前?
横浜:父親がつけたんですけど、「自分が生まれた時に流れ星が流れたから」と、「何か自信を持って輝いてほしい」っていうのが理由らしくて。
古市:流れ星流れたんですか?生まれた日に
横浜:いやー… でも、父親があんな真面目な顔で言うので、そうなのかなと。
撮影後にボクシングプロテスト合格「本気度を証明したかった」
現在公開中の映画「春に散る」で、ダブル主演を務める横浜さん。世界チャンピオンを目指すボクサー役を熱演しています。
古市:プロテスト合格して、C級ライセンスを取ったっていうのは、撮影後ですか?
横浜:そうですね。撮影後です。
古市:もう撮影的にはいらないのに練習続けて取ったんですか?
横浜:そうですね。
古市:撮影終わっちゃったのに頑張るって結構ストイックじゃないとできないですよね?
横浜:とにかくまずこの作品にかける想い、本気度を証明したかったというのが一番大きいかもしれないです。
古市:子供の頃から空手をされていて、ボクシングは今回初めて?
横浜:初めてです。空手の動きが足を引っ張っていた時もあったので、練習期間が足りなかったなと思ってます。
古市:どれぐらい期間があった?
横浜:撮影が12月で、4月から練習をしてたんですけど。
古市:めちゃくちゃ練習してるじゃないですか。
横浜:いや、でも…。
古市:半年ね、あっても足りない。
横浜:足りないですね。世界チャンピオンを目指すプロボクサーという設定なので。自分がやるからには、そこは責任を持って、格闘家が見ても失礼のないようにっていうのを考えて作っていってました。
古市:ボクシング、実際の試合も出てみたいと思う?
横浜:その気持ちはもちろんあるんですけど。本当に出たいと思った時は役者を辞めます。
古市:それぐらいの覚悟で?
横浜:はい。
古市:いつからそんなストイック?子供の頃から、そんな真面目に生きてきたんですか?
横浜:自分でストイックだと思ってないです。当たり前のことをやってるだけというか。
格闘家の道に行くか この世界で生きていくか
古市:子供の頃の夢は格闘家?
横浜:空手を小学1年生から始めてからは、格闘家になりたかった。
古市:小6でスカウトされて、「烈車戦隊トッキュウジャー」が注目浴びた1個のきっかけ?
横浜:そうですね。
古市:トッキュウジャーから、トントン拍子でどんどんうまくいったんですか?
横浜:そんなわけでもなくて、戦隊モノが終わったら仕事があると思ってたんですけど、全くなくて。その頃にいろんな道を選ばなきゃいけない選択があって。
大学に進学するか、格闘家の道に行くか、この世界で生きていくか、っていう時に、戦隊モノに受かって、芝居の楽しさっていうのを知ってしまった。この世界で生きていこうと思ったんですけど、まったく仕事が決まらないので、自分の選択が間違っていたんじゃないかって…、まあ、できることをやるしかないと思って、ワークショップに通ったり、映画をたくさん見たりとかして、今に至るという感じです。
古市:結構たくさんオーディション…
横浜:受けました。
古市:「受ける」「落ちる」が繰り返されると、すごく心がすさんでいきませんか?
横浜:すさんでいきますね。はい。
古市:そのすさんでた頃の自分に振り返って、言いたいことあります?
横浜:うーん…勝手に周りと比べて傷ついてたんですよね。オーディションを受けて「誰が受かったんだろう」とか。それを確認したりして、マジで無駄な時間だったんですよ。
古市:いや、でも、気になりますよね。
横浜:まあもちろんしょうがないんですけどね。でもそこに早く気づけたからよかったです。
古市:そういう、比べることが無駄だって?
横浜:うん。「空手の時どうだった?」って、なんか思えたんですよね。周りと比べず、自分は自分だし、今目の前にあることをやっていこうって思えたので。
古市:そうか、空手と一緒で、自分の闘いっていうか。
横浜:はい。
ファンサービスは得意じゃないけど…
古市:最近楽しかったことは?
横浜:楽しかったことは…なんですかね?
古市:何が楽しくて生きてるんですか? 友達と遊びに行ったりとかしない?
横浜:あ、全然あります。
古市:芸能界の仲良い人、例えば、どんな人?
横浜:関ジャニの丸山くんとか。
古市:へぇー。
横浜:丸山くんはすごく優しいんですよ。思いやりのある方で、話していてとても癒やされるんですよね。
出演した映画を見てくれて、とても長い感想をまずメールで送ってくれて。
古市:とても長いんですね。
横浜:はい。それで、直接会った時 思いをすごく伝えてくれるんですよね。
古市:めちゃくちゃ愛されてるんですね。
横浜:いやいや… ほんと嬉しいですね。
古市:ファンサービスとか苦手?
横浜:苦手ですね。
古市:嬉しいことは嬉しいけど…
横浜:嬉しいです、はい。
古市:でも、その笑顔で手を振ったりとか、得意じゃない?
横浜:はい。1対1とかだったらいいんですけど、大勢がいるところで「手を振ります」となると、一人一人に手を振れないんで、それ申し訳ないじゃないですか。
古市:あーそう考えるんだ。
横浜:だから、そういう人前に出るときは、あまり手を振らないようにしてます。
古市:へぇー。真面目な理由で振ってないんですね。機嫌が悪いわけではなくて、振ってない。面白い。
(めざまし8「エンタメ社会学」8月28日放送)