俳優の佐野史郎(68)が22日、東京・渋谷ユーロスペースで映画「独裁者たちのとき」(アレクサンドル・ソクーロフ監督)のトークイベントを行った。
佐野は、現在71歳のロシアを代表する巨匠ソクーロフ監督の「太陽」(2005年)で、昭和天皇の侍従長を演じた縁でこの日のゲストとして登壇。「独裁者―」はヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニなど第二次世界大戦時の“独裁者”を、過去のアーカイブ映像を用いながら独自の映像技術で構成し、彼らをよみがえらせていく。
ソクーロフ監督はロシアのプーチン大統領に意見し、怒らせたことが一部で報じられたことも。佐野は「個人的に心配です」と身の安全を気に掛けた。監督を直接知る者として「ものすごく繊細な面と暴力的な内面性が同居していた。今回の映画でもそれは一貫して変わりなく、見て引き込まれた」といい、「独裁者を一方的な見方で描くのではなく、なぜそういうことが起きて、そうなっていったのか。日本であまり教わらなくなっている近現代史を考える映画でもあると思う」などと話していた。