俳優、佐藤浩市(62)が12日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で出演映画「愛にイナズマ」のトークショーを行った。
石井裕也監督(40)を相手に佐藤は撮影を振り返り、「モニター越しで見ている監督が多いんだけど、石井さんはカメラの脇で芝居を見ている。彼の顔のリアクションが僕らの栄養剤だった。『この芝居はイケてるんだな』とかね」と監督の表情で演技の手応えを感じていたことを告白。石井監督も「浩市さんがいるから若手の俳優もノッてくる。グルーブ感があった」と佐藤の存在感に感謝した。
石井監督は佐藤の酒席でのエピソードも披露。「浩市さんは酩酊状態になると違う世界に行ってしまう。何を聞いても瞬間に哲学的な答えが返ってくるのに、翌日一切覚えていない」と暴露すると、佐藤も「質問されると即座にロジカルに答えているみたいなんだけど、なぜか覚えていないんだよ」と笑わせた。
初日舞台あいさつの夜、五反田で共演者や監督と食事した後に撮影でも使用した目黒のバーで飲み直すことになった話も告白。「家族(役の)5人で30分ほど歩いてバーへ行くことになり、酒が入っているのに急な階段を上ったり、迷子になったかなとか思いながら。(主演女優の松岡)茉優が『忘れることのできない思い出になった』と言ってたけど、まさにその通りだった」と目を細めた。
その言葉に石井監督は「俳優さんたちだけにした方がいいかなと思って、僕は真っ先にタクシーに乗りました」と漏らし、ここでも笑いを誘った。