藤井聡太竜王(22)=王将など7冠=への挑戦権を争う第37期竜王戦決勝トーナメントの準決勝、佐藤康光九段(54)と佐々木勇気八段(29)の対局が25日、東京・将棋会館で指され、佐々木が136手で勝利した。佐々木は藤井への挑戦権をかけて、広瀬章人九段(37)と山崎隆之八段(43)の勝者と挑戦者決定3番勝負に臨むことになった。
振り駒の結果、先手が佐藤になり、戦型は矢倉へ進んだ。佐藤は飛車を6筋に、佐々木は王を中住まいに構え、飛車を8筋から2筋へ旋回させた。
その後、佐々木が中央から仕掛けると、佐藤は角を再び2筋から8筋へ。ところがこの角が、佐々木による金、桂、歩の壁によって9筋へ押し込められ、劣勢に立たされる。5筋にと金を作って反撃するが、佐々木桂で飛車まで捕まえられ、相手の手駒にされたその飛車を今度は自王の背後へ打たれて進退窮まった。
佐々木は17年、藤井のデビュー以来29連勝を止めると共に、初黒星をつけたことで知られ、現在は棋士10人が年度を通じて総当たりし、名人挑戦権を争うA級順位戦に所属する。ところがタイトル戦出場がまだないだけに、3番勝負の行方は注目を集めそうだ。広瀬―山崎戦は26日に指される。