将棋の羽生善治九段(53)と佐々木大地七段(29)が27日、静岡市でJT杯1回戦に臨み、佐々木が131手で勝利した。次戦は準決勝進出をかけて9月23日、藤井聡太王将(22)=7冠=と対戦する。
振り駒の結果、佐々木が先手になり、戦型は角換わりに進んだ。佐々木は雁木(がんぎ)、羽生は右王を選択して51手目、佐々木が4筋の歩を突き出して開戦した。
対して羽生は、飛先の歩の交換から争点になっている4筋へ飛車を転回。佐々木は1筋への遠見の角で王手をかけた。
さらに自陣へ侵入された羽生馬と飛車を交換。駒台へ置いたその2枚角を105、111手目と次々に敵陣へ放ち、左辺から羽生陣を攻略していった。
「注目度の高い対局が続くので、自分の力を精一杯出し切って、いい将棋をお見せできるように頑張りたい」。佐々木は昨年度、棋聖戦、王位戦で藤井に挑戦したが、今年度はまだタイトル戦への出場を決めていなかった。存在感を発揮する好機が訪れた。