伊藤は9歳で子役としてデビューし、芸能生活は20年。11歳の時には同局の人気ドラマ「女王の教室」にも出演した。その後、映画やドラマで大活躍、来年のNHK連続テレビ小説「虎に翼」では主演を務めることが決まっている。
VTRでは6年前に映画祭で訪れたというイタリア・ウーディネを再訪し、ベネチアにも足を運び、芸能生活を振り返った。20年の道のりは順風満帆だったわけではなかったとし、「1作品1作品終わるのが怖いっていう状態でしたね、常に」と語った。
「終わる時に、特に学園ものとかだと、“みんなこのあと何やるの?”とかAPさんが聞くんですよ。“この後の仕事は?”みたいな。ないから、やっぱ答えられる子がいると、“凄いな、いいな”って思ってたし。自分の中ではそこまで執着しているつもりもなかったんですけど、この仕事に。だけどそれでも怖かったです、戻るのが」と説明した。
つらい時期に踏ん張ることができたのは、家族が支えてくれたという。家族の存在は「大きいです。もう軸。大柱」と話し、「“いつやめてもいいんじゃない?”って言われたのは大きかったです」と続けた。
「9歳からやらせていただいてて、凄く家族が喜ぶのとかもうれしかったですし、友達が誇らしく思ってくれることとかもうれしかったですけど、中学生とかそのくらいになってきた時に、これ辞めたら全員いなくなるっていう意識になって。自分の価値というか。出てるからみんな凄いねっていうふうになるけど、これがなくなった時私への質問とか私への会話とかってあるのかなとか」と当時の悩みを告白。
「実際にこれを続けていくかどうかって悩んでた時も、家族に相談して」と伊藤。家族からは「いやいいんじゃない、自分の人生なんだから。やりたいことがあるなら違うことでもやればいいし、ないなら続けるなり、1回全部さらっと辞めてみるでもいいし」と言われたとし、「いつ辞めてもいいって思うと、続くんですね、意外と」と家族の言葉で自分らしさを取り戻したと振り返った。
夢を叶えるために必要なことを聞かれると、「気長さ」と回答。「私は今自分がお世話になってる会社の人たち、特に社長に(今の事務所に)入りたての時に言われたのが、“焦るなはやるな”っていう言葉を凄い言われて。例えば同世代の子がバーンって行きました、とか、焦っちゃう子もいるんですけど、“それが本当に必要のない感情だから、絶対持つな、そういう感情を”って言われて」と回顧。
「だけど怠けるのは違うから、きっとそのいいあんばいで、どう頑張るかっていうのを冷静に考えれた方が、流れに身を任せてやった方が意外といいのかもなと。自分には合ってるやり方」と言い切った。