京極夏彦さん「水木さんの存在大きく妖怪が爆発的に増えた」…仙台でトークイベント

京極夏彦さん「水木さんの存在大きく妖怪が爆発的に増えた」…仙台でトークイベント

「遠野は語り部を養成し、伝わる話を後世に残そうと熱心な土地。応援したい」と語る京極さん(10日、仙台市青葉区で) 【読売新聞社】

(読売新聞)

 人気作家の京極夏彦さんのトークイベントが10日、仙台市青葉区の仙台フォーラスで開かれた。得意の妖怪や怪談、「遠野物語」にまつわる話を軽妙な語り口で披露し、来場した約80人を沸かせた。(川床弥生)

 京極さんは、専門雑誌「怪と幽」にかかわるなど、長年、妖怪や怪談の普及活動を続けてきた。しかし、30年ほど前までは見向きもされず、地方に取材に行っても、むしろ避けられていたという。

 ただ最近は、呪術や鬼を扱った漫画の流行や怪談師の登場、妖怪を使った街おこしなど、好意的な雰囲気に。「世の中のためにならないものを、我々が一生懸命推進してきたおかげだなと思った」と笑わせた。妖怪をキャラクター化した漫画家・水木しげるさんの存在が大きく、「1990〜2000年代に(世間で語られる)妖怪が爆発的に増えた」という。

 柳田国男が岩手県遠野地方の民話を集めた「遠野物語」については、「河童かっぱの話は少ないし、座敷わらしも、幸福ではなく没落する怖い話だった」と語った。その後、08〜09年に水木さんが遠野物語を漫画化。その中で生み出されたキャラによって河童や座敷わらしのイメージが変わったと解説した。

 今回のイベントに合わせ、東日本大震災の被災地も訪れたという。「12年たってもまだまだすごい爪痕。多くの人が亡くなり、早い時期から(震災にまつわる)怪談は語られていた。当時は不謹慎という声もあったが、そこで生きている人、暮らしている人がそう受けとったのだから、聞くべきだと思った」と振り返った。

 イベントは本屋も経営する地元出版社「荒蝦夷」が主催。京極さんは「本は何度も読むたびに感想が変わるマジックアイテム。街の本屋さんをぜひ応援してほしい」と締めくくった。

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