ジャニーズ事務所の創業者・故ジャニー喜多川元社長による性加害問題で、同事務所の東山紀之社長(57)らが2日、東京都内で会見。社名を17日付で「SMILE―UP.」に変更し、被害者への補償などの対応を終えた後に廃業すると発表した。1962年に創業されたジャニーズ事務所は約60年の歴史に終止符を打つ。一方、タレントとエージェント契約を結ぶ形で新会社を設立し、社名を公募する。
「(ジャニーと)名前のついたものはすべて捨て去る」。東山社長は、9月7日の会見でジャニー喜多川元社長の名前を冠した社名を使い続けるとしていたが、相当な批判が寄せられたために変更を余儀なくされたと説明。「関ジャニ∞」「ジャニーズWEST」などのグループ名を含め「すべてジャニーズとつくものはなくなります」と何度も強調した。
この日は出席しなかった藤島ジュリー景子前社長も、会見に寄せた手紙の中で、「事務所を廃業することが、加害者の親族としてやり切らねばならないこと。ジャニー喜多川の痕跡をこの世から一切なくしたいと思います」と”絶縁”するという決意を明かした。
新会社は東山社長が社長、副社長に「ジャニーズアイランド」の井ノ原快彦社長(47)が就任する予定だ。東山社長は「タレント一人一人とエージェント契約を通じてサポートしていきたい。1カ月以内に設立したい」とコメント。タレントのマネジメントを担う形で新たなスタートを切る。「これを機会に女性タレントは」という質問もあったが、井ノ原社長は「エージェント会社なので、今いる人で頑張っていく」と語り、新会社の名称は「ファンの力を借りたい。ファンクラブの皆さまからの公募で決めたい」と語った。
性加害問題に対応する被害者救済委員会には478人から相談が寄せられ、そのうち325人が補償を求めている。東山社長は「これほどの規模だったのかという思いが強い」と人数が想像以上だったと明かし、事務所に在籍していたことが確認されたのは150人になっていると説明。事務所にいたことの事実確認について、井ノ原社長は「ずっと契約があいまいなままやってきてしまった」と語り、その事情から難しい面があり、バックダンサーをしていたときの映像や写真などから確認する作業が続いているとした。補償は11月から開始するという。