演歌歌手・坂本冬美が俳優・中村雅俊、演出の石井一久ふく子氏ととも25日、都内で明治座9月10月公演「坂本冬美特別公演 中村雅俊特別出演」(9月20日から)の記者会見を行った。
第一部のお芝居では「いくじなし」と題し、江戸の下谷龍泉寺の長屋を舞台に、下町情緒と人情の機微に溢れた舞台を披露する。坂本は「飲んべえの旦那さんにガミガミ怒っているっていう役柄です。いままでは花魁とか派手なものをやってきたのですが、今回は浴衣に地味なメイク。でも、一番、地に近いかもしれません」と話した。
その旦那役の中村は「石井先生の演出で坂本さん共演、緊張する部分はあるけど、心地いい緊張でもあるので、見に来た人が良かったねと言ってもらえる舞台にしたい」と意気込んだ。
第二部では歌謡ステージを披露。2人ともにヒット曲など歌うが、デュエット企画もあるという。先日、初めてリハーサルを行ったという坂本は「温かいお声で包み込むような感じで歌ってくださって、歌っている間は2人の空間がふわーんとして。夢の世界に浸らせていただこうかな」と話せば、中村は「Aメロは坂本さんが歌うので、歌いだすのを聴く立場あんですが、歌い出した途端に『出た!』って感じですね。演歌とは違う曲なんですけど、歌い出しで世界を作ってしまうのはさすがと思いました」と絶賛した。
また、宮城県出身の中村は夏の甲子園大会で、仙台育英が、初の東北勢として全国制覇を果たしたことに「ボクは石巻高校なので、同じ宮城県ではありますけど、そこまで思い入れはなかった」とは言うものの、「優勝した瞬間に涙が出てきました」という。野球経験はない中村だが、「偉業だし、はるかに若い子たちが頑張ったなと思っている。自分も頑張らなきゃ、中村も頑張れと言われているような気がしている。本当によかったなと心の底から喜んでおります」と笑顔を見せた。