歌舞伎俳優中村又五郎、中村魁春、中村歌昇、中村種之助が8日、都内で行われた「国立劇場3月歌舞伎『一條大蔵譚』『五條橋』」(3月3日から)取材会に登壇し、意気込みを語った。
一昨年から始まり好評を得ている「歌舞伎名作入門」の第3弾。
「一條大蔵譚」で大蔵卿を演じる又五郎は「30年以上前、歌舞伎座で若手が朝早くに小学生、中学生に歌舞伎を見ていただく『こども歌舞伎』という公演があり、務めた記憶がある」と懐かしそう。薫陶を受けた故中村吉右衛門さんがいちばん好きな狂言だったとし、「少しでも近づけるよう努力、精進したい」と話した。
種之助も、吉右衛門さんとの思い出を披露。「僕が子役を離れて大人の役をやらせていただくころ、大蔵卿のせりふを言ってみろと抜き打ちテストみたいなものがあった」と笑顔で振り返り「せりふ回しがとても勉強になった」。建て替えにともなう「初代国立劇場さよなら公演」のひとつとしての上演。「まだ種之助を名乗る前に子役で出させていただいたのが国立劇場で、たくさん勉強させていただいた」と劇場への思いを語り「大切に務めたい」と話していた。