■正樹が私立高校に音楽教師として赴任
同作は、新任音楽教師・新田正樹(中島)と生徒・和泉冴(吉川)の純愛を軸にストーリーが展開。タブーと背中合わせな純愛は、次第に周囲を巻き込み、やがて“ディソナンス=不協和音”となり、ドロドロな展開を生み出していく。
冴の同級生の朝比慎太郎にHiHiJETS・高橋優斗、国語教師・碓井愛菜美に比嘉愛未、社会科教師・加賀美理に眞島秀和がふんする。
第1話は、勤めていたピアノ教室が倒産し、職を失ったばかりの正樹のもとへ、音大の先輩で、亡くなった兄・幸助の恋人でもあった小坂由希乃(筧美和子)から連絡が入る。自身の後任として高校の音楽教師にならないかという誘いだった。最初は断る正樹だったが、学校法人の理事長である父・秀雄(神保悟志)の命令から逃れるため、申し出を受けた。
赴任前夜、高校を訪れた正樹は、音楽室に立ち寄り、ピアノを弾き始める。すると、慎太郎らと学校に忍び込んで教頭の影山(手塚とおる)に見つかり、ピアノの下に隠れていた冴と目が合い…というストーリーだった。
■光と影を中島裕翔&吉川愛が好演
表向きは好青年だが、内心は打算的な正樹。モノクロ&顔の半分だけ映し出される演出で、その心の中をモノローグで語る様がゾクゾクさせた。正樹が抱える闇は深い。両親ともに教育関係者で、優秀だった兄と比較され続けて、強いコンプレックスを抱いていた。その兄が事故で6年前に亡くなってからも、どうすれば周囲からよく思われるかと考えながら生きてきたのだ。
また、母子家庭で育った冴は、男性に頼る価値観を持つ母・静(富田靖子)に依存されている。弱みを人に見せられない冴は、正樹の“影”を感じとる。
純粋な部分で惹かれ合う2人。その“光”と“影”を、中島と吉川が好演している。
■サスペンス展開で考察も!?
正樹と冴の“純愛”をベースに、“ドロドロ”な展開が見どころという本作。正樹、冴の家族含め、登場人物ほとんどといっていいほど、クセのあるものばかりだった。
正樹が「ひねくれものだ、僕と同じですね」と称した愛菜美のほか、上辺だけの付き合いを重ねているような職場の教師たち、冴が内緒でアルバイトして貯めていたお金を持ち去る静の恋人…。そんな周囲の“闇”が、正樹と冴の純愛を際立たせつつ、不協和音を生み出していくのだろう。
物語はラストで衝撃の展開を迎えた。由希乃の遺体が発見されたのだ。純愛×ドロドロ=純ドロだけでない面白さに、視聴者からは「サスペンス要素もある考察系純愛ドロドロどらまだったか…こういうの好きです」「登場人物の感情を考えながら考察していくの好きだからめっちゃハマりそう!」といった声が。
また、中島や吉川の演技への称賛も相次ぎ、タイトルがTwitterのトレンド1位になる反響を呼んだ。
※高橋優斗の「高」は正しくは「はしご高」
◆文=ザテレビジョンドラマ部