世界遺産の法隆寺（奈良県斑鳩町）が、施設の維持管理費用などの目的で15日午後から始めたクラウドファンディング（CF）の支援額が、半日で目標額の2000万円を超え、16日夜になって約5000万円に達した。
檀家（だんか）を持たない法隆寺はコロナ禍で外国人観光客など来訪者が激減、収入の柱となっている拝観料が減少していることから、境内の整備費用を十分に捻出できないとしてCFの実施を決断したという。限定御朱印や百万塔の複製などがリターン品として用意されるCFは7月29日午後11時まで行われる。
関係者が「予想もしていなかった早さ」と語るニュースについて、SNSでは「クラファンという電子勧進帳で寄付を募った」「さすがのブランド力」「何か胸が熱くなった」「強すぎ」「法隆寺を守りたいという本来の思い、応援なんでしょうね。これがクラウドファンディングの原点」などの声が上がった。
同時に「美談みたいに伝えているけど、そもそも国宝で重要文化財で世界遺産の法隆寺にすら国が保全費を出さずにないがしろにしてる」（国宝や重要文化財の修復費用については国の補助金が出る）、「観光立国と言いながら法隆寺はクラファンしないともたないっていうし、科学技術で発展していくって言ってたはずなのに選択と集中でアカデミアは虫の息。マジで何も残らねえぞ」と国に対する厳しい指摘も相次いだ。
