外国人観光客の悩みの1つが「日本には夜のエンタメが少ない」。日本国内では、東京や大阪などの都会でもパリやニューヨークのように夜遅くまでミュージカルやショーが開催されることが少ないのが現状だという。
インバウンドの“ナイトライフ”の充実に目を付けた笑福亭竹林(67)、「関西総合研究所」の宮本茂樹研究員、「Yobanashi大阪実行委員会」のジェームス・リー・マギル氏らが観光庁に事業支援を申請。このほど「インバウンドの地方誘客や商事拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業」として認可を受け、英語版、韓国語版、台湾華語版の4公演の開催が実現。公演はすべて午後9時半開演となる。
英語版(12月15日、来年1月28日)で2席ずつ演じるかい枝は98年から過去28カ国、100以上の街で英語版落語を公演。文化庁から落語を広めるために文化交流使として海外派遣された。「伝統的な正座、着物で、ト書きもなくほぼセリフのみなのが落語。微妙なニュアンスではなく、ストーリーのおもしろさ。言葉が変わってもちゃんとおもしろさは伝わります」と自信満々。「筋のおもしろさ、登場人物の感情が笑いになる。それほど落語はすごい」という。
一方、韓国語版(来年1月27日)を演じる笑福亭銀瓶(56)は「動物園」「犬の目」を披露。かい枝と同じく文化交流使として韓国・高麗大などで韓国語、日本語の両方で落語を演じてきた。「2024年は日本語、韓国語の二刀流で頑張ります」と話し「オソオセヨ(いらっしゃ〜い)」と韓国語で桂文枝(80)のモノマネをして笑わせた。
台湾華語版(12月16日)は桂紋四郎(35)が担当。大阪メトロ全133駅に4公演のチラシを置いてアピールしていく。カラオケが「KARAOKE」に、マンガが「MANGA」となって世界中に広まったように、日本のお笑い文化の1つである落語が「RAKUGO」として世界へ。今回の実証実験に注目だ。