1980年代半ばの名作「ロッキー4」を、監督、脚本、主演のシルベスター・スタローン自ら再構築。未公開映像を加え再編集した映画「ロッキーVSドラゴ:ROCKY Ⅳ」の公開前夜祭イベントが18日、都内であり、ロッキーとその妻・エイドリアンの声を担当した声優・羽佐間道夫(88)と女優・松金よねこ(72)が登壇した。
羽佐間はスピンオフ映画も含め、ロッキーシリーズ全8本でロッキーの吹き替えを担当。満席のロッキーファンを前に、こんな仰天エピソードを明かした。
「前、シルベスター・スタローンが僕と会うという企画が、実は大阪のほうのテレビ局でありました。僕がお断りしました。『会って何になるんだ。もう、ただただコンプレックスにかかるだけじゃないか。大体もう、声も姿も全然違うのに、会ったってしょうがないだろう』って言ったら、向こうも『そうだな』って終わりになりました。それきり会っておりません。ま、この後そういう機会があるかもしれませんけども」
松金は、業界のディレクターや監督たちから「ロッキーを見てました」「松金さんといえばエイドリアンです」とよく言われるのに複雑な心境だそう。
「たくさん舞台もやらせてもらったんですけれども、私にとって一番有名なのがエイドリアンだったっていう…。なんか自分の仕事がね、松金個人よりもロッキーのエイドリアンの方がずっとずっと皆さんに親しんでいただいてるようなんですけれども、ちょっとうれしいような寂しいようなでございます」
本作のチラシには、アメリカの星条旗柄のボクサーパンツを穿いたロッキーと、旧ソ連国旗柄のパンツを穿いたドラコ(ドルフ・ラングレン)の対戦カットが使われている。松金は、こんな言葉でイベントを締めた。
「今度の映画はね、まだスタローンが(構想を)考えてるときには、ウクライナの戦争はなかったと思うんですけど。ただこれは、ロシアに行って(ドラコに)挑んでいく、ロッキーの戦い(の物語)なんです。それがなんかもう、胸が痛くて、もう『プーチンに見せたい!』と思ってね。ホントに思いました。もうね! もう皆さん! 世界平和! 願いましょう」
同シリーズと言えば、ロッキーが試合に勝ち「エイドリア〜ン!」と絶叫するシーンが有名だ。そのときのエイドリアンと同じく赤いベレー帽をかぶった、この日の松金の叫びも負けていなかった。