タス通信は2日、ロシアの世界的指揮者で名門サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団の音楽監督を務めるユーリ・テミルカーノフさんが同日、死去したと報じた。84歳だった。読売日本交響楽団にたびたび客演し、2015年から名誉指揮者だった。
レニングラード音楽院(現サンクトペテルブルク音楽院)で学び、現在のサンクトペテルブルク交響楽団やマリインスキー劇場の首席指揮者、芸術監督などを歴任。欧米のオーケストラにも招かれ、チャイコフスキーやショスタコービッチなどロシア音楽の権威として知られた。
2000年に初めて読響に客演し、東日本大震災の発生後、海外公演の収益の一部を義援金として寄付するなど、日露間の交流にも貢献。国際的に活躍するバイオリニストの庄司紗矢香さんとも親交があった。19年秋に読響を指揮したのが最後の来日となった。