この日は鈴木保奈美、戸田恵子と2人の女優を迎えたクロストーク。ムロにとって鈴木は、思い入れの深い女優だという。
ムロが自宅のテレビのチャンネル選択権を与えられたのが、高校時代。そんな青春時代の思い出の作品が、鈴木が主演し社会現象になった91年に放送された月9ドラマの金字塔「東京ラブストーリー」だった。
「高校の時、自分がチャンネルを向けて初めて見るドラマが『東京ラブストーリー』なんですよ。まだ役者を目指していないので、いち視聴者として、一番楽しみに見ていたのが。最初のドラマのヒロインは、鈴木保奈美さんになるんです」。ビデオの録画は一般家庭にもあったが、当時はサブスク、見逃し配信などは当然ない時代。「1週間に1度、この1時間のために、リアルタイムで見なきゃいけないんですよ。社会現象だったんですよね。月曜の夜9時に、街から女性たちが消えるって」と振り返った。
鈴木演じる赤名リカ、織田裕二演じる永尾完治(カンチ)、さらに三上健一(江口洋介)、関口さとみ(有森也実)ら若者たちが、仕事に恋に葛藤を繰り広げる物語。ムロは「織田裕二目線で見てます。(リカが)カンチにすごくダメ出しするんです。すぐ待ち合わせ場所に来ないんですよね?カンチね?」と、鈴木に前のめりで話しかけた。
さらにムロは、リカが待ち合わせに来ないカンチを何時間も待ち続ける、作品きっての名シーンについて語り始めた。「待ち合わせ場所に、自分の時計か、喫茶店の時間でしか待ち合わせ時間が探せないし、待つしかないんです。リカはずっと待ってくれてるんです。喫茶店が閉まっても、外で待つしかない。雨が降ってくるんですよ。“まだいたのか”って、カンチが来るんですよ。疲れ切ったリカは、寄りかかってこう言うんです。“ダメ…もう電池切れちゃったみたい”」。その熱弁ぶりに、ダブルMCの中居正広は「よく本人の前でヒゲ面で話すね。何でリカになったの?今。そんな顔してリカするな!」といじり倒し、爆笑が起きていた。
ムロの熱意に、鈴木は「そのせりふが素晴らしいんですよ。(脚本家の)坂元裕二が素晴らしいんです。“よく見ていました”とか言って下さいますけど、坂元裕二がすごいんです。私じゃないんです」と冷静に回答。それでもムロは、「ワードがね。“ラブじゃなくてもいい。ライクでいいからさ”、“うそでもいい。それでファイト出るからさ”」と、リカの劇中せりふをそらで披露。「すっごい!」と目を丸くする鈴木とは対照的に、中居は「リカ…引いてる」とツッコミを入れていた。
さらにムロは2年前、最終回でリカがカンチに向けた別れの手紙を投函したポストがある、愛媛県大洲市に“聖地巡礼”したという。しかし、鈴木は笑いながら「そのくだり…覚えてない」とまさかの回答。ムロは「マジですか!」と目を丸くしていた。