結婚式や披露宴に出席する時は花嫁よりも目立たない服を着るというマナーは、ほとんどの皆さんがご存じです。このロングヘアーを下ろすのがダメというマナーは長い髪の毛がダメなのではなく、食事のときに髪をかき上げたり触ったりしないというのがマナーの本質なのだそうです。それが「髪の毛をアップにしないといけない」という部分だけが強調され、一人歩きしているのではないでしょうか。
そのネットニュースでは、自分がされて嬉しいことをする、自分がされて嫌なことをしないのが「マナー」であって人に不快感を与えなければOK。マナー違反だと人を批判するのもまた、「マナー違反」ではというマナー講師の方の話もありました。下を向くと髪が垂れるため、食事の時にはクリップなどで留めればいい、とも。さすが納得のアドバイスです。
今から30年ほど前、相方のモモコの披露宴での席の事。とある女性のタレントさんが食事中のテーブルでマニキュアを塗り直し始めたのです。え、今、ここで!?と思いながらも誰も何も言わなかったのですが、円卓に同席されていた桂南光さんが「あのな、ここでマニキュア塗り直したらアカン」。
その方が「この後仕事があるんで、すみません」とおっしゃると、「何でアカンかわかるか。そのマニキュアのにおいで、お料理のにおいが飛ぶやろ。お料理の香りもうま味のうちやから、あんたのそのマニキュアのにおいで、近くに座っている人がお料理を味わえなくなる。せやからこういう席では塗ったらアカンのや」と言われたんです。そうか、マナーにはちゃんと理由があるんだ!と感心したことを、今回のニュースを見て思い出しました。
着物にもいろいろなマナーがあります。羽織を着ずに帯を出して歩く「帯付け」。昔は水商売の方や芸者さんが飾り帯を見せるためにしていたもので、一般の方は上から羽織などを着て帯を隠すのが本来の「マナー」。でも今、町で着物姿の人を見ると、かなりの人が帯を出して歩いています。
それだけではなく最近の若い人が着ている着物は、半襟のところにレースがついていたり、トイレに行きやすいからと上と下で分かれていたり。基本的に小紋と言われるお着物は格が低いから晴れがましい席に着て行くのは「マナー違反」と言われていましたが、今は素材的やデザイン的にもすばらしい小紋のお着物があって、結婚式で着ても違和感を感じる事が少なくなりました。あまりにも「マナー、マナー」と言い過ぎると「着物を着る」という日本人の大切な文化が廃れてしまうかもしれませんね。
いったいマナーって誰のための何のためのものなのかをもう一度考え直さないといけない時期にきていると思いますし、マナーも時代とともに変わるものだなと改めて感じました。