ファミコン発売40年 マリオやドラクエ、リハビリにも…ゲームが生み出す新しい文化

ファミコン発売40年 マリオやドラクエ、リハビリにも…ゲームが生み出す新しい文化

発売から40年を迎えた任天堂の家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」© Nintendo

(産経新聞)

任天堂が家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」を発売して15日で40年を迎える。世界で約6191万台を売り上げ、他社を含めたゲームソフトの累計販売数は5億1千本に達した。「スーパーマリオブラザーズ」や「ドラゴンクエスト」など日本が世界に誇るゲームソフトを生んだ土台を作り、ゲーム文化を花開かせる礎を築いた。

もともとトランプや花札などを手がけていた任天堂は、昭和50年代にゲーム事業を本格化。ただ58年7月15日に発売されたファミコンは、ゲームを前面に打ち出さず、あくまで家庭向けの「コンピュータ」という商品名だった。任天堂が同年に発売したソフト9本のなかには、英語や算数といった学習を目的としたものもある。「ファミコンとその時代 テレビゲームの誕生」(NTT出版)の著者で立命館大学の細井浩一教授(文化資源経営学)は「教育用途もあったことが、家庭導入への心理的なハードルを下げたのではないか」と初期戦略を評価する。

60年には、アクションゲームソフト「スーパーマリオブラザーズ」が登場。爆発的なヒットとなり、それまでマニア向けの同人誌のような存在だったゲームの攻略本が一般書店に並び、教育雑誌や漫画にもファミコンが扱われ、映画化にもつながった。細井教授はファミコンの成功を、「プレイヤーと攻略本などのメディア、ゲームメーカーがつながる『エコシステム』の循環がうまくいった結果ではないか」と分析する。

一方、他社も次々とゲームソフト作りに参入し、ドラゴンクエスト(現スクウェア・エニックス)などヒット作も生まれた。ハドソン(現コナミデジタルエンタテインメント)からは、1秒間にボタンを16連打できる特技を持つ「高橋名人」といったスタープレイヤーも現れ、子供たちの人気を集めた。

任天堂は平成2年、ファミコンの後続機「スーパーファミコン」を発売。市場を席巻したが、6年にソニーグループから「プレイステーション」が発売されると、ゲーム機をめぐる競争が激化した。その後、任天堂は据え置き型のゲーム機「Wii」や、携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を発売。29年には現在もヒットが続く「ニンテンドースイッチ」を送りだした。

近年ではゲームのすそ野は広がり、ゲームをスポーツ競技として扱う「eスポーツ」が誕生。お年寄りのリハビリにも活用されている。細井教授は「遊びは文化に先んじると言われる。ファミコンから始まった日本のゲーム作りは、今後広がるメタバース(仮想現実)の分野でも力を発揮するのではないか」と期待を寄せる。

任天堂は15日、40年に際して歴代の人気ゲームを紹介する特設サイトを開設する。担当者は「当時のゲームソフトを含めて、思い出を振り返ることができるようなサイトを予定しております」と話している。(織田淳嗣)

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