【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。お笑いコンビ「アルコ&ピース」の平子祐希さんが自身のX(旧ツイッター)で、自宅前で子供たちが花火をする様子を投稿し、思わぬ批判が殺到して炎上する事態になりました。
平子さんは「フェスくらいブチ上がってる」とのコメントとともに自宅前で複数の子供たちが花火を楽しむ写真をアップ。これに対して「近所迷惑」といった厳しい声が寄せられたんですね。
僕自身も遊園地のアトラクションの迫力を伝えようと5歳の息子がお漏らししたと投稿し、炎上してしまったことがあります。コメント欄の「子供の立場になって」というご指摘を受け、息子への配慮が足りなかったと気付かされました。
一方で今回の平子さんのケースはほほ笑ましい様子に好意的なコメントもあるのに、ネガティブなコメントに反応している印象です。これがネット炎上の特徴なのかもしれません。
そこで今回は今、ネットフリックスで話題の「御手洗家、炎上する」(2023年)を紹介します。小学生の杏子は、大病院を経営する御手洗家で両親、妹と裕福な暮らしをしていました。しかし自宅が火事になり、原因は母親・皐月(吉瀬美智子)の火の不始末と見られ、自責の念から皐月は記憶喪失になります。両親は離婚し、杏子は母と妹の3人で御手洗家を出て行きます。
一方で父親(及川光博)は皐月のママ友の真希子(鈴木京香)と再婚。その後、真希子はカリスマ主婦としてメディアに取り上げられインフルエンサーとして活躍。大人になった杏子(永野芽郁)は火事に不審な点があり、御手洗家を乗っ取った真希子に疑いの目を向け、13年前の火事の真相を探るため家政婦として御手洗家に潜入します。真希子が杏子に「2階には上がらないで」と忠告するんですが、2階に隠された秘密、13年前の事件の真相とは。永野芽郁さんが鈴木京香さんを相手にドロドロの復讐劇を繰り広げます。結末はぜひ、本編でご覧ください。
本作はねたみ、いびり、セレブの裏の顔といったテーマがふんだんに盛り込まれています。ポイントは火事の炎上とSNSの炎上がかかっているダブルミーニングになっていること。王道のテーマに加え復讐方法にSNSを巧みに利用し、現代に合った作品に仕上げたことが共感を呼び、世界的ヒットにつながったと思います。SNSの怖さを考えさせられる作品になっています。
☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のシネマラボ」で紹介している。