テレビ東京系「有吉ミュージックフェス」(後7・58)が23日、放送され、12日に死去した歌手KANさん(享年61)をテロップで追悼した。
番組では、有名人たちが極貧生活や、その時代に心の支えとなった応援歌を特集。グラビアアイドル礒部希帆(32)は、自身が中学3年まで家族7人で住んでいた崩壊寸前の実家を紹介した。
トタンや木でできた塀はほぼ倒壊しており、磯部は頭をかがめて家へ。庭とも言えないような草むらの奥の蛇口を「ここ水道です」と指差し、「ここでホースをつないで、ここシャワールーム」と振り返った。ぶら下がっていたたわしを見つけると、「ここで体を洗ったりとか」と、次々と衝撃の事実を明かした。ウイスキーのびんを使って、家が傾くのを防いでいたこともあったという。
磯部が当時、勇気づけられた曲として、KANさんの「愛は勝つ」を挙げた。祖母が働いていたスナックの客が、磯部に向けて歌ってくれた思い出があるという。「周りから見ても明らかに貧乏でかわいそうな家族というのが目に見えて分かってたと思うので、諭されているじゃないけど、“大丈夫だよ、大丈夫だよ”と言われている気がして。たぶん泣いていたと思います」と、思い起こしていた。
磯部の思い出とともに、KANさんが生前、同局で歌った「愛は勝つ」の映像が流れ、「去る11月12日KANさんは61歳で亡くなられました。謹んでご冥福をお祈りいたします」とテロップが表示された。
KANさんは今年3月に日本では数十例ほどしか症例がない「メッケル憩室がん」を公表し、闘病していた。葬儀はすでに親族とごく近しい人たちで済ませている。