同局の大下容子アナウンサーと小木逸平アナウンサーが進行を担当。103人の局員、OBらにヒヤリングを行ったことを報告した。
喜多川氏による性加害を認定した2003年の東京高裁判決と、ジャニーズ側の上告を退けて2審判決が確定した04年の最高裁判決を、同局がいずれも報じてこなかったことについて、内藤正彦報道局長が、当時関わった記者やニュースデスク、ワイドショーのプロデューサーらへ行ったヒアリング結果を報告した。
「判決期日があるのを知らないので、文春の裁判を取材予定としてあげたことはない」との元司法担当記者の話や、「文春の連載をちゃんと見てなかったというのもあるし、喜多川氏による重大な人権侵害の行為であるという認識がなかった」との元ニュース番組デスクのコメントを紹介した。
元社会部デスクの「事件化するとか、当局が動くならばおそらく関わったが、芸能ネタだと判断してスルーしていたのではないか」という話も伝え、内藤局長は「報道局内でもあくまで週刊誌による芸能ゴシップネタであり、被害への実態の関心も持たず自分たちがニュースとして扱うものではないという決めつけ、それから偏見があったことが分かりました。こういった考えの根っこには男性への性加害、性被害に対する無知、無関心、そして人権意識への低さがあったことは否定できない」と話した。
週刊文春の記事を読んだものの、後追い取材をしなかったことについては、「ワイドショーが扱うネタだと思っていた。報道局が扱うネタではないと思っているので後追いする議論もしていない」との元社会部デスク。元ワイドショープロデュサーの「性的な話というのはなんとなく避けていたと思う。残念ながら当時、人権に対する罪だという感覚は恥ずかしながらなかった」「(後追い取材を)やるとしたら、未成年者もからんでくるので独自に取材し事実関係を含めてきちっと抑えないと、もし間違っていたら本当に名誉毀損になってしまう」などといった声も伝えた。
一方で、ジャニーズ事務所に関わるニュースを一律で報じない、という姿勢ではなかったとも説明。03年にジャニーズ事務所と関連会社が約6億円の申告漏れを指摘されたニュースを放送したことを挙げ、「ジャニーズとだから自動的に排除しろなんてことは報道局内ではない」とのコメントも紹介した。